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コーヒーの一枚 39

今日もまた、逆光。

8月も最終週に入った。
もう今週あたりから、二学期が始まる子供たちもいれば、まだ31日まで夏休みの宿題に追われている子供たちもいるかもしれない。うちの近所は、真っ黒に日焼けした子供たちがチャリを飛ばしていた。ということは、まだ夏休みか。

そんなことを思いながら、今日は近所の直売所に車を走らせる。
私の近所の範囲は広いと、よく言われる。なぜなら、県境を2つぐらいまたいでも、車で行って日帰りドライブができるのであれば、私はそこを「近所」だと言い張っている。

亡くなった父もそうだった。
食道楽だった父は、美味しい魚や果物、水のためなら、どこまでも車を走らせた。片道2時間超えはザラである。それにまつわる数々のエピソードも控えているが、今日は、その話は、よそう。

到着。

いつもの直売所に到着する。平日なので、人はまばらだ。でも、地元以外にも人気があるので、駐車場には、遠方の県内ナンバーや、たまに県外ナンバーの車が停まっている。

車を降りて店内に入る。例の流行り病対策で、店内に入った瞬間、業務用の大型扇風機が出迎えてくれる。

今日は何があるかな?今日の晩ごはんは何にしよう?そんなことを思いながら売り場を眺めるが、もう夕方近い午後3時過ぎの棚は、お客さん同様まばらである。それもそうだ。生産者さんたちの朝は早い。でも、朝はライバルも多い。

棚にある食材を見ながら、献立を考える。時には、献立を考えずにカゴへ食材を入れる。この時間でも掘り出し物があるからだ。
『ノコリモノ ニワ フク ガ アル♪』
そんな言葉を呪文のように唱えながら店内を歩く。

目的地はもう1つ。

歩きながら、買い物途中のカートを押して、もう1つの目的地へ足早に向かう。
そう、店の奥には、カフェスペースがある。そのカフェは近くの珈琲屋が運営しているカフェで、テイクアウトのみだが、コーヒーが美味しいので、ここを目的に来るお客さんもいる。私もその一人だ。

「アイスカフェオレを1つください」
メニューには、シンプルにコーヒーからキャラメルラテまで、いろんなコーヒーの名前が並んでいるが、たいてい悩んでも、結局カフェオレにたどり着いてしまう。

小銭入れから、アイスカフェオレ代をトレーに置く。今日はちょうどピッタリだった。エプロン姿のお姉さんが丁寧にアイスカフェオレを淹れてくれる。いつもいるお姉さん。いつもと同じように淹れてくれる。

撮った。

出来たてのアイスカフェオレを受け取ると、店の前の休憩スペースに、いや、ここは店の外にもベンチもある。まだ暑いけど、一瞬外に出ることにした。逆光のカフェオレを撮りに。

逆光のカフェオレ。
実はSNSを3年ほどやっており、自分が感動した風景やモノ、昔撮った景色を、自分なりの文章やつぶやきに乗せて、披露している。とは言っても、写真はスマホカメラ、文章は自分基準のゆるぐだな文章。それでも投稿すれば、嬉しかったり、ストレス解消になったりするから不思議だ。

そうそう。逆光のカフェオレの話であった。
SNSを始めて間もない頃に遡る。持病持ちの私は、その頃、数ヶ月ほどの治療を終えて、仕事復帰するために、時短勤務をしていた。その帰り道で購入したアイスカフェオレを写真に収めようと、最初は車のボンネットや屋根に置いて撮影していた。しかし、木や他の車が写り込んでしまい、なんだかモヤッとする。

シンプルにアイスカフェオレを撮りたいけどなぁ…。と思いながら、アイスカフェオレをいろんな方向から撮り続け、そのうちアイスカフェオレを青空に掲げてみた。
これだ!

アイスカフェオレを飲みながら、撮った一枚をじっと見る。逆光だよな…これがアイスカフェオレだと分かる人はいるだろうか?でも、青空や太陽と一緒に写っている姿は解放感があっていい。開放ではなく、解放だ。いや、それでいい。
それ以来、アイスカフェオレを手にすると、逆光のカフェオレを撮るようになった。飽きもせず、凝りもせず。

私は今日も逆光のカフェオレ。


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