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病気の一枚 34

2022年3月の私です。

本編に入る前に・・・ここ最近、私のnoteへ来てくださっている皆さま&いつも読んでくださっている皆さまへ。いつもの皆さまにはいつもの記事ですが、最近来てくださっている皆さまには、ちょっとびっくりかも、と思うので、この前置きを書くようにしました。
私、この病気の事を、今は月1回で書いています。最初の頃は、まあ、自分の人生で、こんな経験することって、2度とないしな、と思って書いていました。でも時がたつにつれて、記事を読んでくださっている皆さまにコメントをいただくようになり、この病気に対して、病気を経験した人にも、現在進行形で治療をしている人にも、経験していない人にも、何か伝えられる、伝わる事があれば、と、少しずつ思うようになってきました。
特に大きな事は何も考えてなく、どなたかが言われた「ろうそくの灯」のように小さな小さな明かりを灯し続けていければ、と思っております。
私の定時連絡のようなモノだと思っていただければ、いいかなと思っております。

2019年夏、右胸のしこりに激痛がはしり、検査の結果、乳がん、悪性腫瘍と診断されて、11月に右胸全摘とガンが転移していた右脇下のリンパ節切除手術を受けた。そして12月から抗がん剤治療が始まり、翌年5月にやっと抗がん剤治療が終わり、7月にポート抜去手術後、ホルモン療法(タモキシフェン)も始まった。

そして、2020年9月から仕事復帰。ただし、右腕はリンパ節切除の影響で軽いリンパ浮腫を起こしていたが、少し症状は軽くなってきた。それでも、腕を休ませながらの勤務。今は本格的に仕事復帰している。

今月は少し長めです。

まずは定期検診。

今月は、定期検診の月だった。今回はCTと採血。
まずは採血。注射嫌いの私は、また看護師さんに顔を覗き込まれ、「大丈夫ですか?」と言われ、「注射嫌いなだけなので、大丈夫です…」と答える。基本、毎回この繰り返し。あの針を刺される感覚は、やっぱり慣れない。

CT検査は造影剤なしの単純撮影。またここで「造影剤を…」とか言われたら、注射嫌いの私は、また大騒ぎだ。そんな手首に針を刺したまま放置だなんて…と。

検査の時は仰向けで寝て、両腕を上げるのだが、右脇の下にまだ痺れはあるものの、その動作もほぼ問題なく出来るようになってきた。ここまでたどり着くのに、私の場合は2年半。やっと、といったところである。

数日後の検査結果の前に・・・。

このCT検査が終わった後、例のワクチンの3回目を打ちに行った。

1回目(ファイザー)と2回目(ファイザー)は、かかりつけの病院で受けたが、3回目(モデルナ)はいろいろあって、結局、大規模接種会場で受けることになった。ちょっと自宅から遠い場所ではあったが、うーん・・・打つか、と。

受付して、問診を受けて、接種。そして、15分の待機時間。

15分後。

15分経ったことにも気づかなかった。それどころか、心臓がドキドキする。息も荒くなってきた。やばい。
そのまま会場の人に抱えられながら、待機場所の裏へ・・・。

ベッドに横たわった私の左腕に、血圧計をセットして、血圧と脈を頻繁に計られる。血圧は高め、脈も早め。今までこんなことはなかったのに・・・。
そう思いながら、真顔で看護師さんに話す。
「電気、揺れてますよね?」
「揺れてませんよ。」
うーん、軽くめまいも起こしていたようだ。

結局、それから1時間ほど休ませてもらい、血圧も脈も落ち着いてきたので、帰宅することにした。
「あ、うち、18時まで開いてるから、ゆっくりどうぞ」
と看護師さんに言われたが、やっぱり明るいうちに家に帰りたいし、ね。
お世話になりました。

その後、接種後4時間後ぐらいから、腕が痛くなり、倦怠感も出始めて、24時間後から発熱し、38.5度が最高点で、48時間後ぐらいにどの副反応もおさまってきた。
副反応は今回が一番きつかったように思う。それは、抗がん剤治療の頃を思い出させるような、そんな感じだった。

手術から2年半。どう?

数日後、検査結果を聞きに診察室へ入るなり、主治医の先生の一言目がそれだった。
「先生、やっぱり腕が・・・」
「うーん、まあ、そうねぇ・・・」
と言いながら、腕を触ってむくみ具合を確かめる。

「毎日マッサージしてるんですけど・・・」
「ちゃんとやってるから、ここまで抑え込まれてるのよ。よくがんばってるよ。えらい!」
そっか。もうこの状態が普通になるんだな。と思ったと同時に、「再発」という不安は背負ったままだが、ちょっとホッとした自分がいた。

CTの結果も、採血の結果も今回は異常なし。手術痕もだいぶきれいになったよと言われた。
ホルモン剤タモキシフェンと、抗うつ剤と睡眠導入剤をもらって帰宅。
次の検査は、半年後。

撮った!

抗がん剤治療中に副作用から抜けて、体調がよかった時に見に行っていた桜を今年あらためて見てきた。

身体の見た目は、もう健康な人と何ら変わりはない。右脇の下の痺れは、外には見えない。今月は会社で健康診断もあったのだが、今年もリンパ浮腫の説明を看護師さんに何回もした。そして、ちょいと前にCTも受けたし、採血もしたし、もうバリウム飲まなくても、また採血しなくてもよくね?と今年も思った。うーん、これも恒例になるんかな・・・。

そう。診察後に、何かがふっきれた私は、人生で初めて、髪を染めた。
半年以上前に、先生から髪染めの許可が出てからすぐは、なんとも思っていなかった。でも時間が経つにつれて少しずつ考えが変わってきた。二度とない人生なら、やってみるのも悪くはないな、と思い始めて、今月ようやく踏みきったのだった。それぐらい私にとっては大きな出来事だったのだ。

なんだか気持ちがすっきりしてきた。元気が出てきた。まだ治療中ではあるけれど、「病人」というくくりから抜けた、そんな気がした。
まあ、ぼちぼちではあるが、病気以前の自分に戻ってきている感じがする。

流行り病の感染予防対策をしながら、ストレス解消のドライブの趣味を再開させることにした。1時間運転したら、必ず休憩を取って、腕を動かす。
仕事復帰して1年5ヶ月、通勤では片道約1時間は運転しており、それだけ運転できるなら、もう大丈夫だと思って。

うん、無理はしないけど、いろんな景色は見たい!


追伸:病気の一枚は連載モノです。よかったら33もご覧ください。



いちおう今までの分は私の病気マガジンにまとめています。
1から読むと、かなり長くなりますが、興味がある方はどうぞ(^^;)
えっと、13までは病気治療に専念しており、14あたりから徐々に社会復帰して、毎月の定時連絡になり、現在に至ります。


記事を書くための栄養源にします(^^;)