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運命の輪

昔、何かのYouTubeか本で見たことがある。
女には運命の人が3人いるのだ、と。

1人目は、あなたに女性としての魅力があることを伝え、恋を教えてくれる人。

2人目は、あなたはあなたのままでいいんだと1人の人として愛されることを体験させてくれる人。

3人目は、 他人に何と言われようが、この愛があなたの人生にとって大切だと言い、共に生きることを選んでくれる人。

私は今、何人目の運命の人と出会えたのだろう。自分の体感としては1人目には既に出会い別れを告げられたのだ。2人目は、まさに今出会っている人なのではないか。そう思っている。これが本当かは定かではないし神のみぞ知るのだろう。

私はタロット占いが好きだ。
一時期、自分でもカードを買って練習していた程度にはハマっていたが、自分の感受性が乏しいのか、勉強不足という点もあり、自分で自分を占うという愚行は辞めた。

それでもタロット占い好きは辞められず、YouTubeでタロット占いの動画を見ては心を惹かれてしまうのだ。YouTubeのタロット占いは基本3択で、その中からひとつを選び運勢を見る形が多い。私はとても直感型で、大事なことは割と何でも直感で決める。理由を聞かれても「なんとなく」そうとしか答えられない。ただ私の第六感が〝これだ〟そう感じるものに強く惹かれるのだ。恋人でも友人でもこの人がいいとなるのは常に突発的にである。

タロットカードの運命の輪の意味の前提として「逆らうことの出来ない宿命を表すカード」という意味がある。イラストからも変え難い何かを感じさせるカードであると見る度に感じる。
運命の輪が正位置つまりローマ数字が上で文字が下にある状態のカードの意味は「好転」状況の好転、幸運、閃きが浮かぶ、物事が円滑に進むなどがあるらしい。一方、逆位置つまり文字が逆さ文字で上にありローマ数字が逆さで下にある状態のカードの意味は「転落」翻弄される、混乱、崩れる、物事の悪化などがあるのだとか。

同じカードでも、占い手の解釈によって上記のもの以外になる場合もある。大アルカナ22枚のうち、10枚目に当たる「運命の輪」終わりと始まりの意味を持ち大きな意味合いを持つカードであることは間違いないと素人ながら私は思った。

そして、私は何故か占いを見ると運命の輪が出てくる確率が多い気がするのだ。それも逆位置で。私は運命に逆らえるのだろうか。先程も書いた通り「運命の輪」は逆らうことの出来ない宿命を表すカードである。運命とは一体何なのだろうか。

広辞苑では「運命」を次のように定義している。

「人間の意思に関わりなく、身の上に巡ってくる吉凶禍福」

つまり、人間にはどうすることも出来ないものを広辞苑では運命と定義づけするらしい。

抗えないとわかっていても、抗いたくなるのが私という生き物なのだ。足掻いて足掻いて最後の最後まで抗い続けるのだ。

幼少期の私には運命の人という言葉はとても魅力的に聞こえた。シンデレラのように王子様が迎えに来てくれるのかもしれない、白雪姫のようにお妃様に虐められて目を覚まさなくなっても助けてくれるのかもしれない、そう夢見ていた。

でも、現実は違う。今の私は運命の人が居ると思わないし王子様は存在しないしどれだけ虐げられていても助けてくれるような存在は居ないのだ。幼少期の私が今の私を見たらきっと怒り呆れ果てるだろう。それでも構わない。私は彼女が知らない汚い世界を見てきたのだから。穢れを知らないまま、夢を語る少女にはきっと聴かせられない曲だけれども、今の私には、(夢見る心を失ったのは私だけでは無いのだ)そう思える曲に出会ったのだ。曲の中で彼女は

「But now I'm twenty something. I still know nothing. About who I am or what I'm not. 」
「So call me a pessimist. But I don't believe in it. Finding a true love's kiss is bullshit.」
「Cause I felt love. I felt bad love. sometimes happy love. Turns into giving up. I felt hurt love. About the word love. What the hell is love supposed to fell like?」

この歌詞が愛着障害を抱える私としてはめちゃくちゃ刺さった。愛ってどんなふうに感じるものなの?小さいまま大人になってしまったどうしようもない私がこの曲を初めて聴いた時、すごく胸が締め付けられた。

恋や愛が分からないわたしに3人の運命の人は現れるのだろうか。3人目の人と幸せになれるのだろうか。私には分からない。何故なら恋が怖いからだ。愛されることが怖いからだ。運命には逆らえないから。

「What the hell is love? What the hell is love?What the hell is love supposed to feel like?」

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