読むということ


「辰さん」の妙にはしゃいだ声は、じっとり湿気を含んだ足下のコンクリートに吸い込まれていった。

柴崎友香さん「春の庭」より

この一節を読んで、ああ、こういう文章に出会いたくて、私は本を読んでいるのだなあと思った。

映像ではなく、文字でしかできない表現。

私が活字が好きなのは、「言葉にして文字で表現する」ということ、そしてそれを「読める」ということに、とても人間らしさを感じるからなのかもしれない。

#コラム #エッセイ #暮らし #読書

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