ライブでのカメラ撮影を考える(設定編)
素人がライブ撮影に適したカメラとレンズを考えてきましたが、最後はカメラの設定編を書いていきたいと思います。
本体編とレンズ編はこちら↓
なお、これから設定の話をしていくのですが、設定に関しては個人の考え方など好みが分かれるところかと思います。
この記事では現状私はこの機材でこんな設定で撮っていますよ、という説明をしていきます。
私自身も必ずしもこれが正解だとは思っておりませんので「こうすると便利かも?」や「こっちの方がおすすめ!」などの素敵な情報がございましたらぜひコメントなどで教えてください🙏笑
多少知識を詰め込んではいますがまだまだ下手くそですし、経験も技術も圧倒的に不足していますので説明におかしい所があっても笑っていただけると幸いです。
◆使用機材
まず初めに使用機材を書いていきます。
導入時の価格も書いていきますので参考までに。
私はバイクや車も持っているのでそちらの維持費などもあり、基本的にあまりお金をかけたくないという貧乏性です。
なので中古で揃えたりいただいたものをそのまま使ったりと探り探りやっています🥹
また、高くて良い物を買って慎重に長く使うというよりは安めの物を色々買って程よくラフに使いたいタイプの人間です。
どうもしっくりこないなという時は違うメーカーのカメラを買って使ってみたりもしています。
なお、マウントが増えると新しくレンズも用意しなければならないので逆にお金が飛んでいっているのでは…?という懸念は気付いていないことにしています🙄
・本体(メイン)
Nikon D5200 (¥0)
2012年発売のAPS-Cサイズのセンサーを積んだ一眼レフカメラです。
位置付けとしては初〜中級者向けで初心者から少しステップアップした人向けの立ち位置です。
こちらはいただきものなので元手はかかっていませんが、ピクセル抜けなどガタが目立ってきています。笑
でもまだまだ使えます。Nikonさんのカメラは頑丈らしいので買い替えるまでもう少し頑張ってくれると嬉しいなと思っています。
画素数は2410万画素で、特徴としてはバリアングル液晶(画面が動かせる機構)が付いています。
こちらを利用してライブハウスなどでも人の頭上からハイアングルで撮ることもできますが、ファインダーではなくモニターを見ながらの撮影だと仕様でAFがかなり遅くなるという欠点があります。
ミラーレスではその点を気にしなくていいので、それもカメラ選びの一助になるかもしれません。
また、大きなメリットは昔の一眼レフにしては比較的軽いことです。バッテリー込みで本体重量が約555gとペットボトル一本分ぐらいです。
現代のフルサイズミラーレス機が600〜700g前後なので軽さでもまだ少し利はあるかなと思います。
・レンズ
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G (¥35,000前後)
中古で保証付きの純正を買いました。
基本的に単焦点が好きなのとなるべくコスパが良いものを探し、これに落ち着きました。
F1.4の物にすると途端に値段が跳ね上がるのでうまく使いこなせるか分からないと躊躇してこちらを買った経緯があります。笑
自分の場合比較的後方や一番サイドから撮影することが多いため、APS-Cに付けて127.5mmとなるこのぐらいの焦点距離が使いやすいです。
ちなみにサブで35mm/F1.8と50mm/F1.8のNikon F1.8単焦点三兄弟も持っていますが出番は少ないです。
・本体(サブ)
SONY NEX-F3 (¥20,000弱ぐらい)
D5200と同じく2012年発売の12年選手です。
こちらもAPS-Cセンサーで割とビギナー向けの機種です。
保証付きの中古を買いました。
こちらはD5200と違いミラーレスでかなり小型の機種なので安いしお出かけ用にいいかなと思って買ったのですが、ミラーレスの利点を活かしライブにも使えそう…ということでたまに使っています。
重量はバッテリーなど込みで約314gという驚異的な軽さで、1610万画素と画素数は控えめです。
液晶画面はチルト式で手前と奥にのみ傾けられます。こちらはミラーレス機なのでハイアングルで画面を見ながらの撮影でもAFは通常の速度で使えます。
・レンズ
SONY E16mm F2.8 SEL16F28 (¥20,000弱ぐらい)
このレンズは明るさはそのままでワイドコンバーターと魚眼コンバーターを先端に付けることができるのでたまにお遊びで使ってみています。
コンバーターはそれぞれ約10,000円強ぐらいでした。
焦点距離が16mm(換算24mm)と広角気味なので後方からですとライブ全体の雰囲気が撮れます。
また、ワイドコンバーターを付けると12mm(換算18mm)、魚眼コンバーターを付けると10mm(換算15mm)になります。
このカメラですとF2.8ではちょっと暗いけれど現像で明るさを調整すれば撮れなくはないかなという感じになります。
屋外なら問題ありません。
個人的にいずれは50〜85mm/F1.8あたりを買って撮ってみたいと考えています。
では機材の紹介が一通り終わったところで設定の紹介です。
◆カメラの設定
①F値・SS・ISOに関して
まずこちらの説明をしておきます。
カメラでの撮影はこの3つの要素の組み合わせで写真の明るさを決めています。
それぞれ補足すると以下の通りです。
さて、この3つの組み合わせなのですが、人によって考え方や好みがあり、こういう写真を撮りたい!という狙いが万人に共通ではないことにご留意ください。
その上で私の設定を解説も交えながらご紹介できればなと思います。
②カメラのモード
この3つを考えるにあたり、カメラにはいくつかモードが付いていますのでモード選択をする必要があります。
(なお、普及型のコンデジなどはこのモード選択自体がそもそも付いていない場合があるのでそちらでの撮影は避けた方が無難です。)
モードでよく見るのは「P・S・A・M」の4つと「AUTO」です。
メーカーによって名称が違う場合や他にも撮影モードが付いている場合がありますが、そちらの説明は割愛します。
こちらのモード設定ですが、私自身はライブでの撮影(暗所・動体・光源の不安定さ)という環境を考えると「Sモード」か「Mモード」が良いと思っています。
まずこのモードとはどういったものなのかと申しますと、ざっくり言うとAUTOを除き、「絞り(F値)とシャッタースピードをどこまで自分で決めるか」を選べる機能です。
各モードのおおまかな説明をすると…
※ISO感度についてはP・A・S・Mモードであれば撮影の用途に応じ、撮影者が任意の感度を決めることもできます。
③シャッタースピード
この5つのモードの内なぜSモードかMモードが良いのかですが、その理由としてはシャッタースピード(SS)から最初に設定を決めているからです。
SSは速ければ速いほど高速で動く物体をピタッと止めたように写すことができます。
被写体の演者さんはダンスなりで激しく動いていることが多いと思いますが、そういった「動きもの」でSSを遅く設定した場合、「被写体ブレ」という現象が起きやすいです。
この現象はシャッターを切って光を取り込んでいる最中に演者さんが動いてしまうため、写真には「ブレ」として残ってしまいます。
一般的に"写真に動きを出す"という目的を除いてブレは敬遠される(=失敗写真とみなされる)傾向があるため、基本的には無くしたいものです。
そのためある程度のシャッタースピードが求められます。
こちらはダンスの激しさや環境にもよるかと思いますが、体感としてはライブ撮影であれば1/400〜1/500前後より速いスピードであれば概ね止まって写せることがほとんどです。
1/400で手の先や髪の先などが少しブレる場合は1/500にすれば問題ないかと思います。
また、遅めの曲調でダンスもゆっくりであれば1/320ぐらいでも良いでしょう。
なので上記を目安にシャッタースピードを設定します。
④F値
次にF値です。
ライブハウスはかなり暗いため、F値はMモードであれば開放(最小値)にします。
Sモードの場合は状況によりF値が変わりますが、かなり暗いので基本的に勝手に開放になっていることがほとんどのため、自分の場合はあまり気にしていません。
仮にものすごく会場が明るくなりF値が勝手に大きくなってしまっても他はカメラ側がオートで設定してくれるため、シャッタースピードが固定であればピントの合う前後範囲が広くなるかISO感度が低くなるだけで撮影そのものには大きな影響が出ないと考えます。
(間違っていたらごめんなさい)
なので確実に同じ設定で撮りたい(=撮れる写真に同じ仕上がりを求めたい)方はMモード、お気楽に撮りたい方はSモードが良いのではないでしょうか。
PやAモードが向かない理由としては、撮る際のF値によってはカメラが『このままだと暗くなるな』と判断してシャッタースピードを遅くする場合があるからです。
F値とシャッタースピードからまず写真の明るさを決めているので、
(このF値ではそのままだと暗いかな?→シャッタースピードを遅くして光を多く取り込んでバランスを取ろう!)
という流れになってしまいます。
これではせっかくブレなく撮ろうと思っていたのにシャッタースピードが遅くなったためにブレが出てしまったりします。
なのでMモードかSモードがおすすめかと思います。
⑤ISO感度
次にこちらです。
上記のシャッタースピードとF値の組み合わせでもまだ暗いなとカメラ側が判断した場合、ISO感度を上げて適切な明るさになるように調整します。
とても便利な機能ではありますが、一般的にはISO感度を上げれば上げるほどザラザラした粒状の画像の荒れ(ノイズ)が発生してしまいます。
こちらはあまり美しいものではなく、写真の不鮮明さにも繋がりますのでISO感度を上げすぎない設定にしておくと良いかと思います。
自分の場合は基本設定はオートで上限をISO6400までにしています。
上限というのは、機種により基本的にはオートで良いがここまでしかISO感度を上げないでほしい、という設定を設けることができます。そちらが上限設定です。
何故この数値を上限にしたのかですが、新しい機種や高感度に強い機種ほどセンサーや画像処理エンジンの出来が良いのでISOを上げてもノイズが目立たない綺麗な画像処理を行ってくれます。
ですが自分の機種のような古めの機種ですと、大幅にISO感度を上げてしまうと目立つノイズがのってしまうため、苦肉の策として6400を上限にしている形です。
こちらはご自身がお使いの機種によりノイズの出方に差異があるところかと思いますので、まずは色々と試してみるのが良いのではないかと思います。
◆細かい設定
最後にこちらの設定です。
上記の設定の他に細かい設定をしておく必要があります。
ここでは自分の設定と補足説明だけに留めておきます。
・記録モード
こちらはRAW単体で撮っています。
理由としては+JPGで撮るとデータ管理が面倒くさく、撮れなかったら撮れなかったでも良いということと、後々Lightroomで現像するためです。
・AF(オートフォーカス)モード
AF-Cモードにしています。
AF-Sは静物や風景向き、AF-Cは動体向きです。AF-Cであれば一度ピントを合わせたら対象が動いていてもピントを合わせ続けます。
・AFエリア
AFの場合、撮影範囲の中にあるAFポイント上でなければピントを合わせることができません。そのポイントをどう設定するかという話です。
色々試してみていますが、今のところはシングルポイント(一点)にしています。
理由としては…
・自分の使っている機種の場合、瞳AF(人物や動物の目・瞳を認識し、そこにピントを合わせてくれるシステム)などライブ撮影向きの機能がない
・同様にAFエリア設定がシングル、AFポイント全体、その中間のワイドぐらいしかない
・エリア後方から撮影することが多いので、AFエリアを広めにしていると他のお客さんの腕やサイリウム、演者さんのマイクなどにAFを持っていかれることが多い=もう一度AFを合わせなければならない
ことからです。
シングルポイントであれば設定した箇所に演者さんの顔を持ってくれば概ね外さず撮ることができます。
腕と腕の間の隙間を縫って撮るような撮影スタイルには向いていると思います。
・測光モード
こちらはどういった光の測り方をするか、を選ぶモードです。
自分の機種の場合、全体・中央重点・スポットとあるのですが、フォーカスポイントに連動しているスポットにしています。
全体や中央重点にした場合、ステージのライトなどで明るさが大きく変わった際に写真の仕上がりにムラが出てきてしまうように感じます。
また、測光するエリアに暗い物が多いとそちらに引っ張られカメラ側が
(測光したエリアは暗い部分の割合が多いな→全体をもう少し明るくしておこう!)
と判断してしまい、一番重視したい演者の顔が白飛びしてしまう可能性があるからです。
フォーカスポイントに連動しているスポット測光であれば逆光にも強いですし、演者が最適な明るさになっていれば極端な話背景はどうでもいいと言えばどうでもいいので今のところこの測光モードにしています。
・連写設定
カメラによっては一秒間に数十コマの連写を行うことができます。
ですが自分の場合は単写にしています。
理由としては、SDカードの性能が低いことと、ライブはやはり自分の目をメインにして観たいからです。
連写は決定的瞬間を撮り逃しずらいというメリットがありますが、代わりにSDカードにとっては負担となります。
書き込み速度が速いものでないと「詰まり」が発生しやすいとのことですし、容量の少ないカードの場合、すぐカードの容量がいっぱいになってしまいます。
また、自分の場合iPhoneのLightroomで現像しているのですが、データ容量が多いとすぐストレージがいっぱいになってしまいまともに作業を行えません🥲
このような状況もあり、適度に要所要所で撮るぐらいに留めておき、あとはしっかりとライブを体感するようにしています。
・露出補正
-0.3〜-0.7と気持ちマイナスにして撮っています。気休めですがシャッタースピードを稼げるのと、照明などでの不意の白飛びをなるべくしないようにするためです。
また、暗めの被写体に対してはマイナス補正することで黒が黒く写ります。
暗さに関しては現像の際に持ち上げることができるのでそちらで対応しています。
長くなってしまいましたが設定に関してはこんな感じです。
100人いれば100通りの設定があると思いますので、ご自身の一番撮りやすい設定を見つけてみてください。
この記事がこれから撮影を始める方の参考になればいいなと思います。
それでは!
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