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アラサーの頃、先輩からもらった「モチベーション上げるな」の言葉で仕事のパフォーマンスが劇的に安定した話
ここ15年以上、仕事をする上で私を支え続けてきた金言を授かったときの話を書いてみる。これがなかったら、今の私は無いと言っても過言じゃ無い。
モチベーションが高いときは仕事が楽しい。でもなんだかモチベーションが上がらない時がある。
そんなときはひたすらだるくてだるくて、頑張れない。だから、モチベーションを上げなきゃ!って思う。「モチベーションがあがる何か」を探し続ける。
20代、一般的には「仕事大好き人間」が勤めるであろうベンチャー企業に勤務していた私は、そんな「モチベーションに左右される日々」を送っていた。
モチベーションが上がらない日々は、仕事がとってもつらい。やらなきゃいけないことはわかるけど、頭も働かないし、やっつけ仕事になって失敗したり。はたまた、「わたし、このままでいいのかしら?」なんて意味なく将来を憂いて転職を考えてみたり。もちろん、Mustの仕事はちゃんとこなすものの「最近モチベーションが上がらなくてぇ・・・」なんて飲み屋で愚痴ったりしていたものだ。
当時、同じチームに、飄々としてて、大きく怒りもしないし大きく喜びもしない、冷たい感じでも無いけど優しい先輩ってかんじでもない、一匹狼ってかんじの女性の先輩がいた。
ある日、会社帰りにその先輩と飲みに行ったときのこと。新宿のそば料理居酒屋で牛すじ煮込みをつつきながら、いつものようにモチベーションについてグズグズと語る私。しばらくして、先輩がもうこらえきれない!といった様子で口を開いた。
先輩:「だからあなたはダメなんだよ!モチベーションは上げちゃダメ!」
私:「・・・へ?モチベーションは高い方がいいに決まってますよね?」(まさに鳩が豆鉄砲くらったような顔してたと思う)
先輩:「いやいや、違うよ。上がったら、下がるでしょ?あなたいつもそうじゃない?」
私:「あ、たしかに・・・。(いつもすみません・・・)」
先輩:「飛行機に例えるなら、機首を平衡に保つ!しっかりハンドルを握って。上がるままに上げたり、下がるままに下げたりしてはダメ。必要なときに必要なだけ上げるのよ。」
目からうろこだった。
たしかにおっしゃる通り、モチベーションを上げるために何か外的な刺激を探し求め、その効果が切れたら下がるのでは、安定性が全くない。その日から、「機首を平衡に」を心がけるようになった。
あれからもう15年ぐらい経った。
今にして思うのは、当時「モチベーション」と言っていたものは、モチベーションなんかではなく「盛り上がるテンション」とかそんなかんじのものだ。
ほんとの「モチベーション」というのは、言葉の意味通り「動機」。
そんなに短期的に上がったり下がったりしない。
本当の意味での自分のモチベーションを見つけるまでがちょっと苦しいかもしれない。けど、目線が近いと機首が下がる。「モチベーションぽいなにか」に振り回されるのではなく、目線を遠くに置き、機首を平衡に保てば、見えてくるものがあると思う。
そうして15年以上「機首を平衡」を意識し続けた結果、仕事のパフォーマンスは安定して上がるようになった。そしてそのおかげで、次々とチャレンジの機会にも恵まれ、いつしか自分の「動機」と信じられるものにも出会えた。
今は(いい歳なんで当たり前といえばそうだけど)誰にも褒められなくても日々仕事は楽しいし、つらいことがあっても「動機」に支えられ、突き動かされて踏ん張れる。そんなビジネスパーソンになることができたと思う。
あの時、普段は後輩にアドバイスなんかしないあの先輩が言ってくれたことが、私をこのように育ててくれたと思う。
当時の私と同じように「モチベーションぽいなにか」に振り回されてしんどい日々を送る人がいたら、あの先輩のアドバイスを届けたい。
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