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38.教習所の推し~大感謝~

ここまで書いてきた推しへ。届く訳がないし、届けたくもないけれど。



ありがとう推しFOREVER



教習所、卒業検定合格しました。これは、教習所とはお別れを意味します。


……ヤダーーーーーーーーーーーーーー!!!!ヤダヤダヤダ


ヤダ!!

幼少期でもこねなかった駄々をここでこねまくります!イヤです!まだ推しと毎日教習させてくれ…頼む…。
でも大人なので、終わってしまった今はそんなことは新たに免許取る以外に方法がないのはわかっている…。それは嫌です。大型や二輪なんてもう絶対に無理、死人がでるよ。


無事に検定合格できたのは、四日間に渡って私の担当についてくれたおかげです。検定で初っ端にやらかしかけたのは内緒にしておきたいところです。


学生の頃に、教習所界隈では有名な、教習所の総本山的なところで初めて免許を取った私。ぶっちゃけAT・MT問わず自動車の運転にトラウマがちょこっとありました。教習所コースが交通量多すぎだし、家族のゴリ押しでMTを選んだせいでひどい目にあったし、正直言うと教習中に路上でエンストを何回もして、恐怖と申し訳無さで泣いたこともある。そんで仮免試験時に停止忘れて落ちた記憶がある。それでちょっとトラウマになった。

当時はイヤイヤ取ったMT免許だったが、まさか数年後の就職でMT車を運転するどころか、追加で準中取ることになるとは思いもよらなかった。

人生は本当に何があるかわからない。


地元から遠く離れた土地に就職した私は、仕事で運転をしなければならないことを知った。「車持ってないから終わったーーー!!でも免許持ってないからまあ大丈夫っしょ!!」と入社一年とちょっとは油断していたが、ついにその時は来てしまった。

「じゃあ免許取りに行こうか」。あーーーーーーーーー!!!

恐れていた事態が起こってしまったとはまさにこのこと。

あまり知らん土地の免許取得って怖くないですか?免許合宿で遠方に行く人、本当にすごいなって思います。

教習受けるにしても、休みの日以外は仕事終わりからの教習、という形にならざるを得ませんでした。でも今思うとそれが良かったのかも?

こうして教習所通いが始まりました、始まってしまいました。
はじめは「仕事終わりで疲れてるのに…」とちょっと怒りながら通っていました。推しに出会うまでは。


推しが私の担当になったとき「あ、ここにも若い人はいたのか」くらいの印象でした。おっちゃんばかりだったから。本当にその程度でした。


でもなんでかな~~~~~?????推しになってしまった。
年齢?新鮮さでそれが理由のなのかもしれない。でも私が男性アイドルで一番推している人は20近く離れている(見た目はアイドルなのですごく若いが)。件の推しの年齢を聞いたわけではないので分からないが、おそらく30代くらいかな?とは思う。でも担当してくれた指導員の中では若かったのは確実。


そのくらいの印象しかなかったのにめちゃ推しになってしまった。あーあ、なんでだろう。でもきっとこれが「推し」って存在なんだよな。


調べてみたら「教習所マジック」という現象があるらしい。詳しくはあまり調べていないが、指導員の運転する姿やその運転さばき、また、優しくアドバイスをくれるところに惹かれる現象のことなのだろう。この時世であれば
「マスクマジック」も加わるのかもしれない。

担当してくれた初日に推しになり、なぜかときめき、おそらく連日担当となり、計6時間くらいの教習を受けることができた。前半は仕事終わりで、「なぜ疲れているのに教習受けに行かなければならないんだ」と思っていたが、推しのおかげで、担当してくれた初日の次の日からはすごく楽しみになっていた。推しパワーって絶大。


そういえば、それまで担当してくれた指導員の中で、唯一、仕事のことやプライベートについて一切聞いてこなかったのも推す要因の一つかもしれない。おっちゃんたちはすぐに職業や出身について聞いてきた。別にそれが嫌だったわけではない。会話の種となり、沈黙の解消材料にもなっただろう。ただ推しはそれがなかった。それだけ、それだけが推す要因になった可能性もある。


あー、つい昨日あったばかりなのに、会いたいなと思うことができる。これまでのわたしの人生の中で、きっと稀有な存在だろう。ああ…。これだからリアルに会うことのできる推しを持つとツラいのだ。


彼がこの文章を読むことがないことを信じて、
「本当にありがとうございました、お世話になりました」
とだけ伝えたい。もしかしたら今も誰かの教習を担当しているかもしれない。
ですが、卒業検定を合格することができましたということだけ伝えさせてください。あなたのアドバイスのおかげで合格したようなものです。卒検の序盤でやらかした私の心の中に響いてきた「自信持ってやれば大丈夫。」という言葉のお陰で正気を保つことができました。ミスった瞬間は「あ~~~~~、やばいかも、でも推しに迷惑かける訳にはいかない!検定落ちたら数時間担当してくれた推しの評価が!!!!」とポーカーフェイスをした。推しのためにがんばったと言っても過言ではない。


もしかしたらこれは、「推し」という感情に押し込まれない「恋」だったのかもしれない。「教習所で恋して、連絡先を渡した」という記事も読んだ。もしかしたらその記事と同じ感情だったのかもしれない。でも、私はこの感情を「推し」ということに収めることにした。だって「恋」だとしても、そんな大それたことできないし。
今更どうしようもないから。連絡先を渡すことなんてできるはずもないし。


なので、最後のアンケートに、書けるだけの思いを半泣きで書きました。ボールペンでたくさん誤字したけど、届くといいな、この感謝の気持ち。アンケート書きながらなんで泣いてんの?とか思われない様に必死でした。学生の頃の卒業式でも泣かなかったくせに。


でも、いつか、もしかして彼と再開し、それが恋愛感情に発展したら、私は幸せになれるのかもしれない。私がこの地にとどまればの話だけど。


勿論そんなことはないだろう。



今はストゼロ飲みながら泣いています。そうでもなきゃやっていけないからさ。飲みながら書いて、もう3本目に突入しています。あーあ。明日も仕事です。


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