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自分と世界の関係性、その先

卒業制作を始めるためにテーマを決めようと思う。

「『ラムネとは何か』僕がこの世界で培った価値観の中で大切なものを表現しよう。」
「ラムネは鑑賞者にとって価値が高いものではないだろう?僕の自己満足に付き合わせるより面白いテーマにしよう。」
「面白い……ってなんだ?」
「面白いを考えるのはつまらない。分からないままだから面白いんだ。」
「こうして『他人の意見を加味している様子』こそが自分と世界の関係性を表しているんじゃないか?」
『というと?』
「自分が何か行動するとき、ひとこと発する時でさえ、周りがどういう反応をするか想像し、それに対する自分の気持ちを自分の行動に反映させる。それができるのはこれまで世界と関わってきた経験から無意識に予測しているからだろう?」
「想像が生む周りの意見は自分の観測した世界の集大成であり、それを反映した自分の行動は関係性そのものであろう。自分の観測できる世界はごく僅かにもかかわらず想像が生む意見は膨大だ、私の矮小な脳の許容範囲を超える。」

「つまり周りの反応を考えたところでキリがない。だったら自分にとって都合の良いところで思考を止めた方が幸せだ。このことを矮小な脳で理解できるか分からないけれど。」

「多様性が流行っている時代だから自分に都合の良い、理解者もその辺にいるだろう。一方、自分の大切なものを傷つける他人もいる。親友の相談を受けてなお殺してしまう自分もいる。世は多様性だとか自由だとか語っているが、その結果生まれるのは省エネ、無干渉。無視することの善が強く押し出される中、相談事の発端は隠される。だから僕が悔やむ。」

「差別があってぶつかり合う世界と多様性があって無干渉な世界、君はどっちを選ぶ?」

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