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初めてのフィルムカメラの選びかた

現在、7年型落ちのデジタルカメラを1台、フィルムカメラを約30台という偏った所有の仕方をしている私がおすすめするフィルムカメラの選びかたをご紹介しようと思います。

そもそもフィルムカメラに手を出す場合、デジカメから興味が増して2台目にとか写ルンですでフィルムの魅力を知ってだとか憧れの写真家さんがフィルムを使っていてなど、いろいろ理由があるんだと思うんですけど。

ただ、いざ初めての”フィルムカメラ”となるとスマホ世代の私たちからは、昔のものという印象や選択肢がそもそも中古しかない、だからそもそも何を基準にすれば?というのが悩みどころなのかなと思います。

なので、なんとなくそういうことを踏まえながらご紹介していこうかと思います。

まず、選ぶ前の前提的な細かいことから。必須事項ではないので面倒であれば点線内の話は飛ばしてしまって大丈夫です。

ーーーーーーーーーーーーーー↓飛ばしてOK↓ーーーーーーーーーーーーー

まず、フィルムカメラで写真を撮るということは、

①フィルム ②レンズ ③カメラ本体

という3つの要素があると念頭に入れたほうが良いのかなと思います。

なぜなら、デジカメやスマホと違って①フィルム②レンズの2つの要素は出来上がる写真に影響を与えるから。

まず、②レンズですが、現代のデジカメ用のレンズやスマホと違いメーカーや販売時期など種類によって描写に個性が出やすいということ。

次に①フィルムですが、これも色々な種類がありポートラやエクターなど選ぶフィルムによって描写に個性があります。スマホで置き換えると様々なカメラアプリやそのアプリ内のフィルターが近いものです。

では③カメラ本体ですが、これはシャッター機能が内蔵しているただの箱と思って良いかと思います。出来上がる写真には影響を及ぼしません。ただ、例えばニコンのカメラ本体にはニコンレンズしか装着できないという制限があります。(厳密にはアダプターを使い他メーカーのレンズをつけるという裏技もありますが。)

以上を踏まえて、

①フィルムはアプリと同じでいつでも交換できるのでカメラ購入の際にはあまり関係ありません。(ここでは135フィルムや120フィルムなどの種類の話は省略します。)

②レンズは描写に影響があるので選ぶ際に考慮に入れましょう。

③カメラ本体は使いたいレンズが装着できるものを選ぶということになります。基本的に購入の際本体+レンズのセットで販売しているのであまり考えなくても大丈夫かと思います。

つまり、はじめからある程度こだわりたいならレンズが重要かなってこと。

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では、実際の選び方をお話していきます。

~実店舗で買おう~

デジカメからの2台目購入だとしても、カメラの知識にあまり自信を持てないようでしたら実店舗で実際に見て触って店員さんに説明を聞いて購入しましょう。また、値段は少し高くなりますが出来れば値札に”整備済””OH済”と記載のものを選んだほうが良いでしょう。そもそもフィルムカメラは中古品なのでいつ壊れてもおかしくないものと腹を括りましょう。その中で上記の2点の表記があればより永く使える可能性があるし保証が付いていたりします。一方で現状品(整備されていないもの)やジャンク品は安いかわりに購入後1か月で壊れたりということもあります。

ここで実店舗のメリットを生かせることがあります。

それは 店員さんに聞くことができる です。

例えば、お手軽に低予算でフィルムカメラを始めたいときは、初めてのフィルムカメラであることや予算がない事や使いたいレンズなどを伝えれば、整備済ではない低価格の現状品などでも永く使えそうなものを見繕ってくれると思います。あと、関西地方であれば「これ安くなりませんか。。」と申し訳なさそうに値引き交渉してみましょう。(笑)


~好きなレンズやメーカーを絞って買おう~

SNSなどで見かけた好きな写真がどんなレンズで撮られたか調べてみましょう。InstagramやTwitterなどフィルムカメラで撮られた写真に惹かれたことがきっかけの方は、その写真がどんなレンズで撮られたものか調べてみましょう。例えば、スーパータクマーというペンタックス製のレンズで撮られたもの、ニッコールというニコン製のもの、といったふうに。

また、ざっくりですがメーカーごとでもレンズの特性のようなものがあります。

↑・ニコンは、目で見たままを写すイメージで良く言えば忠実描写、悪く言えば個性がない。パキッとキリッした解像力が良いものが多いです。ふわふわしたボケはあまり得意ではないです。

・キヤノンは、彩度が高めで繊細な描写かなという印象。すいませんキヤノンは持っていないのでわかりません。(笑)

↑・ペンタックスは、クセが強いです。線が太い立体的な描写をする印象。彩度は低め。若い年齢層に人気なスーパータクマーというレンズがあります。

↑・オリンパスは、彩度低めコントラスト低めの淡い雰囲気の描写のイメージ。SNSで見かける淡くてふわっとした印象の写真を撮れるイメージ。

・コンタックスは、彩度やコントラストが高くシャープでこってりした描写の印象。値段が高いです。InstagramやTwitterで有名な岩倉しおりさんが使ってらっしゃるのがコンタックスAriaというカメラです。

↑・ミノルタは、ボケがふわっとしていて彩度コントラストともに低く、なだらかで柔らかい描写をする印象です。

おそらく、初めてのフィルムカメラで選ばれるメーカーはここらへんかなーということで、あまり参考にならない作例とともにご紹介でした。


~初めてのカメラとして人気の高いものから選ぶ~

レンズの描写だとかメーカーだとかはよくわからないし現時点でこだわりもないし、とにかくおすすめの具体例を教えろということもあるかと思いますので私の独断と偏見で、また一般的におすすめであろうフィルムカメラをご紹介します。 メーカー名とカメラ本体+レンズ という形で記載します。

・ニコンNewFM2 + Nikkor 50mmF1.4

個人的にもっともおすすめです(笑)なんでって私が初めて買ったフィルムカメラで10年近く壊れず愛用してるから。このカメラは昔から写真学生に使われてきた有名なもので、絞りやシャッタースピードなどすべて自分で設定しなければいけないカメラですが露出計は付いていますしゆっくり勉強しつつ楽しめるカメラです。フィルムカメラにはなかなかないシャッタースピード最高速1/4000秒を搭載している高機能カメラでもあります。また、ニコンのカメラは壊れにくいことで有名であり、機械式シャッターという電子回路に頼らないことも壊れにくいポイントの一つです。レンズはF1.4で背景を大きくボカすこともできるし、描写力も定評のある有名なレンズです。ボディには記載されていませんし見た目には似ていますが、”FM2”ではなく”NewFM2”を選びましょう。

・ニコンF3 + Nikkor 50mmF1.8

ニコンの中でもフラッグシップモデルでボディに赤線が一本入っている特徴的なデザインです。また、プロ仕様上位機種であるにも関わらず当時の販売数が多かったこともあり比較的安価で入手可能で人気のあるカメラです。ファインダーが非常に見やすく、絞り優先AEという露出を自動で行なう機能も付いています。レンズは標準レンズとして定評があり有名なレンズですが上記NewFM2の組み合わせのF1.4レンズよりボケが小さいので、F1.8でもF1.4でもお好みで良いかと思います。

・ペンタックスSP + Super-takumar55mmF1.8

最近では初めてのフィルムカメラとしてはもっとも選ばれているカメラとレンズかもしれません。市場に大量に出回っており低価格であるのとM42という汎用性のある有名なマウントタイプなのも人気の理由のひとつかもしれません。露出計もついているしレンズはボケも綺麗で解像力も充分にあります。ただ、露出計など壊れやすい側面もあります。購入の際には、壊れているところがないかよく確認したほうがよいでしょう。

・オリンパスOM-1 + Zuiko50mmF1.8

小型軽量で可愛らしい印象を受けるカメラですが、レンズはズイコーという銘の優秀なレンズが付いています。カメラ女子に人気がある印象ですね。シャッタースピードを変えるダイヤルがレンズの根元にある少し変わった仕様ですがむしろ使いやすいとのユーザーの声も。ファインダーが腐食して黒い線が入っている個体も多いので気を付けましょう。また基本的には”OM-1”を選んだほうがよいでしょう。OM-2など後継機がありますが、後継機のほうが壊れやすいなんて噂もあります。

・ミノルタSRT101 + Rokkor55mmF1.7

市場でも出回っている数が多く、露出計が付いていますし機械式シャッターなので、最悪露出計のための電池がなくなってもシャッターが切れます。レンズも一定層に人気があり価格も安く入手しやすいです。ただ、個人的にですが使いこまれた見た目のものが多い印象があるので、購入の際は、故障や消耗具合の確認はよくしたほうがよいでしょう。

・コンタックスAria + Planar50mmF1.4

写真家の蜷川実花さんやSNSで有名な岩倉しおりさんがユーザーということもあり人気のカメラです。また、そもそも昔から有名なカメラでもあります。小型軽量で世界的に定評のあるツァイス(プラナー)レンズを装着できるカメラです。露出を自動で行なう機能も付いているので多方面で使いやすいといえるでしょう。ただ、人気故に比較的高価で出回っている数も多くはありません。がっつりフィルムカメラにハマる自信があるということであればおすすめでしょう。

・ローライ35S (Sonnar40mmF2.8)

ここからは完全に私の趣味です(笑) 非常に個性的な見た目で可愛らしいですが組み込まれた各種部品は高級品で、操作方法も独特なカメラです。発売当時、世界最小カメラとして名を馳せました。エリザベス女王が愛用していたり、たまゆらというアニメで主人公が使用していたカメラでもあります。ツァイス(ゾナー)レンズを搭載しその小ささからは想像できないシャープでこってりした優秀な描写をします。レンズが本体と一体型なのでレンズ交換はできませんし、露出計は付いていますが目測式という勘でピントを合わせるという操作が難しいカメラです。また、超シャープな写真が撮れるRollei35や柔らかい描写をするRollei35LEDなど搭載するレンズが異なる種類もありますので、私を信じて個性的なカメラを使いたい方におすすめです(笑)

・ LOMO LC-A+ (Minitar-1 32mmF2.8)

現在ではロモグラフィーというところから出ているカメラで、非常に独特な描写をするトイカメラの代表的な存在のカメラです。アニメけいおんでベースの女の子が使っているカメラでもあります。操作に関しては一応設定もできますが、基本的には 写ルンです のようにシャッターを押すだけです。出来上がる写真は四隅が暗くなったり像が歪んでいたりなど強烈な個性でもって”魅せる”面白いカメラです。その手軽さと個性でハマる人にはハマる良いカメラですよ。


~フィーリングで決める~

まんま!フィーリングで気に入ったものを買う!ぶっちゃけこれが一番良いと思うしおすすめです!(笑) フィルムカメラは嗜好性が高いので、カメラの見た目やシャッターの感触など気に入ったものを選ぶ!ただし、店員さんなどに聞いて状態の良いものを選びましょう。



以上、私的フィルムカメラの選びかたのお話でした。お話のなかには厳密には違う説明もあったり表記を省いたりもしていて、初めてのフィルムカメラ選びの方向けに細かいことは気にせずに、というスタンスでありますのであしからず。

また、上記だけではわかりにくい部分ももちろんあるかと思いますし、ネットにも今回のテーマに類似した記事がたくさんありますので参考のひとつとして読んでいただけたらなと思います。

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