会計事務所への転職・就職の話。選考編
少し間が空いてしまいましたが、転職・就職のお話の続きをさせてください。前回は応募編ということで、応募する会計事務所をどう決めますか?というお話でしたが、今回はその後の選考のお話。
応募編は下記参照です。
今回も今まで私が経験したことを振り返って記載しています。なので、新卒採用ではなく中途採用のお話がメインとなります。また、会計事務所への転職は直近でも3年くらい前の話なので、もしかしたら今はまた少し状況が違うかもしれません。こんなこともあったよ、程度で読んでいただくのが良いと思います。
選考過程
さて、今回は前置きはそんなにせずに本題に入っていきましょう。
会計事務所の選考については、事務所の規模によりけりでしょうか。下記があったりなかったりします。
①書類選考
②面接
③SPI、適性検査
④独自のテストなど
これらについて、それぞれ見ていきましょう。
①書類選考
書類選考は基本あるイメージです。例外として、合同説明会で面接に進んだ会計事務所については実質書類選考なし、という感じでしょうか。提出書類はほかの転職と同様、履歴書と職務経歴書です。
税理士試験の受験生としては履歴書の資格欄の記載について少し迷う部分があるかもしれませんね。私の場合は、資格欄には科目合格の記載、自己PRの欄に受験科目を記載していました。試験前の場合は、「受験予定」と。まだ合格はしていないけれど知識はありますよアピールでしょうか。
②面接
面接の回数ですが、中途の場合面接の回数はそんなに多くないイメージです。たいていの会計事務所が1回で済みます。多くても2回とかじゃないでしょうか。3回以上やるのは稀だと思います。
ちなみにBig4は面接の回数としては1回でした。1回1時間の面接を前半後半に分けて、前半でパートナー(偉い人)との面接、後半で部署のリーダー(もちろんパートナー。部署で一番偉い人)との面接でした。当時はコロナ前だったためオフィスで面接を行うのですが、その大きなきれいなビルにビビッてその時点で心が折れそうになった記憶があります。(今は完全にリモートで選考だそうです。)
なお、Big4の場合、新卒さんは結構面接の回数があるようでした。
③SPI、適性検査
適性検査はそれなりの規模がある事務所だと設定されているイメージです。個人事務所では滅多に見なかったと記憶しています。
Big4では選考過程にSPIがありました。準大手とか大手クラスになるとSPIのある場合が多い気がします。イメージですが。
私自身の選考の際には、当時転職エージェントには「Webテストで不採用になることはないから気軽にどうぞ」と言われていました。とはいえ、高卒DQNでまともな就職活動をしたことがない私は不安だったので、対策本を買って問題を一周だけ解いておきました。選考はWEBテストだったため、下記のテキストのうちWEBテスティングの部分だけやりました。
ちなみにSPIなんて結局全然できなかったわけですが、そんな私ですら内定もらたので、やっぱりSPIの結果は合否に影響はなさそうです。
④独自のペーパーテストとか
中小の会計事務所だと、応募者の実力を測るために独自のペーパーテストを作成している場合もあります。
私が受けたことがあるのは、簿記とか法人税、消費税の問題とかそういう感じです。あとは一般常識的なものを用意しているところもありました。
テストの難易度は事務所によりけりですが、会計処理や税務の話でいうと実務で問題になるようなところが出題されていた記憶があります。(あんまり覚えていないのですが、資本的支出と収益的支出の話とか、法人税の調整項目知ってるだけ書きなさいとか)
まぁここら辺は対策のしようはないのかなと思います。知ってる知識だけしっかり書いてくるしかないです。
なお、どこの事務所も問題量はそんなに多くなかったイメージです。問題と回答欄がセットでA4用紙1枚~2枚とかそんな感じだったかな。
あと、実際に会計ソフトの入力をやらされたこともありました。当時未経験だったため全く何もわからず、監視していた職員さんに聞きながら入力した記憶があります。結局そこは内定もらったんですが、あれで何を測れたんだろうか…。
具体的な面接の対策は?
面接対策ですが、会計事務所は面接の返答内容はそこまで重視していない気がします。どんな内容の話をされたかより、経験、資格、コミュニケーション能力の有無、このくらいな気がします。(採用する側は経験したことがないので、面接した際の温度感、イメージで話してます。)
なので、私は会計事務所の面接では想定問答集的なのは準備してませんでした。志望理由、税理士を目指した理由、今までの経歴をスラスラ話せたら十分な気がします。あ、でも長所短所とかは意外とよく聞かれたのでこれは答えを準備してました。
ただ、経歴についてですが転職組は前職の退職理由をきちんと整理しておいた方が良いと思います。典型的ですが、ネガティブな理由はNG。あとは退職理由からの志望動機につながるストーリーがあると尚良しという感じでしょうか。
まぁ会計事務所の退職理由なんてほぼネガティブなものだと思うのですが。でもそのネガティブな感情って、その裏側にポジティブな理由があるはずなんですよね。そこはしっかり自分を見つめなおしてあげるのが良いと思います。
なにか質問はありますか?という質問
面接で大切だと思っているのは、応募者の話よりも会計事務所側の返答だと思っています。
以前のnoteで記載した通り、面接はこちらが判断する場でもあります。面接で必ず聞かれる「何か質問はありますか?」のターンで、自分が働きたいとイメージする会計事務所とどれくらい近いか図るようにしていました。
この質問はたいてい10個くらい用意していました。例えば下記のような感じです。毎回すべて聞いていたわけではないですが。ご参考までに。
・繁忙期と非繁忙期の残業時間を教えてください
・男女比は?
・平均年齢は?
・税理士・有資格者はどのくらいいますか?
・今回の応募の経緯は?(欠員補填?増員?)
・最近入社した人はどんな人?
・最近退職した人はどんな人?どんな理由で?
・あなたはなんでこの会計事務所で働いてるの?
・この事務所の強みは何ですか?
これらの質問って、正直な返答を得られるかどうかは微妙なので、その返答を100%信じる必要はないと思います。(多少の騙しあいはお互い様です)
この時間は、どちらかというと面接官とのコミュニケーションの時間と考えるのが良いです。ここで違和感を覚えたら、そこの事務所は避けるのがベターです。入社したところで実際その面接官と一緒に仕事するかはわかりませんが、この違和感が入社後ボディブローのようにじわじわ効いてきたりするんです。私の経験では。
あと、税理士受験生はやっぱり気になるのが試験勉強との両立。これはしっかり面接で話しておくべき事項です。
個人的には、税理士試験の勉強がんばってるんですー!勉強楽しいですー!事務所にも仲間がいるとうれしーな!御社どうなんすかー!みたいな、少しテンション高い感じで聞くようにしていました。なんかアホっぽいのですが、結構相手のリアクションが分かれる印象がありました。
内定と入社
選考が終わった後ですが、会計事務所は結果出るの早いですよね。この前久々の事業会社の選考でだいぶ待たされてモヤモヤしました。
採用の場合はBig4であっても1週間以内には連絡が着ていたように思います。
また、会計事務所は入社日について比較的こちらの都合を優先してくれるイメージがあります。8月半ばに内定もらって9月入社のパターンもありましたし、5月の頭に内定で9月入社の場合もあります。転職エージェントがいうには半年くらいなら待ってくれる事務所もあるとか。
入社時期としては、会計事務所ではやっぱり9月とか10月入社が一番多い気がしますね。
まとめ
ということで、今回は選考について自分の経験をもとにまとめてみました。
近年の会計業界は慢性的な人手不足から売り手市場な状況が続いているようです。就職活動・転職活動をする際には、ぜひ自分が選ぶ側であるという自覚をもって選考に臨んでいただきたいものです!皆さんが素敵な会計事務所ライフを送れますように!おしまい!
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