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A Memory Called Empire by Arkady Martine


あらすじ

Lsel(採鉱ステーション)の大使 Mahit Dzmare が帝国に到着すると、前任者 Yskandr が殺されていた。Lsel には imago という帝国に秘密にしている技術があり、記憶を他人の脳に埋め込み、意識を融合させることができる。Mahit は Yskandr の imago を持っているが、古い記憶で止まったままで(自動アップデート機能がない)、しかもマシーンが突然停止してしまう。次に命を狙われるのは自分だと気づいた Mahitは、Cultural liaison(連絡係)の Three Seagrass とその友人 Twelve Azalea とともに殺人者を突きとめる。

読みどころと感想

前回の Stuart Turton の SFミステリーをなんとか読みこなせたので、この勢いで本格的な SF を読んでみようと「読みたいリスト」に入っていた本書を手に取りましたが、難しかったーーーー!!!
内容が難しいというより語彙が激ムズで、最近読んだ本のなかでは最高難度の本でした(基本的に解釈が難しそうな文芸作品は読まず、エンタメ中心の私基準で、です)。しかも登場人物も造語もいっぱい出てくるので、10ぺージほど Glossary(用語集)がついているのです。なので、最初のうちは巻末と本文を交互に見ながら読んでいったのでめちゃくちゃ時間がかかりました。
話の内容は Conspiracy (陰謀)ものと言ってよく、独立を保ちたい Lsel 側の思惑や、帝国を乗っ取りたい軍の幹部や、別の惑星系で起きている反乱などがあって、それらが複雑に絡んでいます。その鍵となっているのが、imago という技術で、いわばその人の「分身」を他人の脳に埋め込んで融合することで、その人の記憶は永遠に残るわけです。この技術は帝国に知られていなかったわけですが、大使が殺された後、imago にまつわるさまざまな裏の動きがわかってくる。2時間ぐらいの映画ならサラっと楽しめそうな内容でしたが、読むほうは必死でした。
このシリーズは、著者のデビュー作で Duology のようです。続編は、この間の BKT のバーゲンで手に入れたので、また語彙が難しくて泣きながら読むことになりそうですが、まずは易しい本を読んで気分転換したいです。

この本について

タイトル:A Memory Called Empire
著者:Arkady Martine
出版年:2019
出版社:Pan Macmillan
ページ数:464

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