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Close to Death by Anthony Horowitz


あらすじ

テムズ川沿いに建つ Riverview Close(Gated community みたいな感じで、敷地内に複数の建物がある)には、チェスのグランドマスター、医者、歯医者、引退した弁護士、書店を営む二人の老婦人が穏やかに暮らしていた……Kenworthy一家が引っ越してくるまでは。夫はヘッジファンドマネージャー、妻は元CAで二人のやんちゃな男の子がいる、という成功を絵にかいたような裕福な家族は、ガレージに入りきらない高級車を私道に止め、庭で派手なパーティーを開いて騒いでいた。迷惑な隣人に不満が募った住民たちは会合を開き、苦情を伝えることにした。しかし、Kenworthy氏は当日ドタキャン。後になって振り返れば、このとき会合に参加していれば殺されることもなかったのだ……。

読みどころと感想

アンソニー・ホロヴィッツのホーソーンシリーズ第5弾。おそらく今年の「このミス」に向けて出版されるだろうし、読む人も多いので、あまり詳しく書きませんが、今回シリーズ最高なのでは? 
日本の読者を意識した感じはあります。冒頭にRiverview Closeの見取り図があり、密室殺人が起きます(そして密室殺人ミステリーは日本のものがベストと記述あり)。
そして今回はアンソニーがホーソーンから聞いた過去の事件を小説にする、というスタイルなので、半分ぐらいが三人称で書かれています。アンソニーの取っ散らかった思考が入らないぶん、物語に緊張感が出たと思います(シリーズを読んでいる方はご存じですが、彼の推理は毎回間違っているので)。なのでアンソニーの出番は少なめかな? それが良かったと書いてしまうと、ホロヴィッツ氏にも作中のホロヴィッツ氏にもちょっと悪い気がしてしまうけど、緊迫感のある展開にかなり心臓がドキドキしました。

この本について

タイトル:Close to Death
著者:Anthony Horowitz
出版年:2024
出版社:Penguin Random House
ページ数:415

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