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「まるで淡雪のような感情が心の奥に降り積もるとき」

「人を思う」ということにはいろいろなかたち、方向性がある。相手が異性であっても同性であっても、それが恋愛の感情ではないとしても、人が人と繋がりたいと思う感情は、私たちにとってごく自然なものだ。

それを率直に表現しようとするが、うまく言葉にできない。……我々の音楽や芸術を発明したのは、もしかしたらそんな、とても不器用な先達だったのではないかという気がする。

簡単に言葉にできてしまうことは、あるいは僕たちにとってそれほど重要なことではないのかもしれない。言葉にできない感情の思いがけない発露が、言葉を超えて他人の心に響くということが、我々の世界には往々にしてある。

言葉にならない、まるで淡雪のような感情が心の奥に降り積もるとき、人は音楽を奏で、文学を紡ぎだす。それはあるときには、切実な魂の叫びのような作品として、時代と国境を越えてだれかを勇気づける。

だれかを恋い慕うこと、他人との関係性に悩むということの裏には、もっとも美しい、人間であるということの本質が隠されているという気がしてならない。

明大

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文学の海に漂いながら、音楽の風に吹かれてます。船はどこへ行くのやら。文章書き from 香川。