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「あきれるくらいの詩」【詩】

ひとがみれば
あきれるくらいの狭い部屋で
あきれるくらいの沢山の書物と
あきれるくらいの詩作への
一途さだけを糧にして
かれはきょうも生きている
生きてゆくーー
遠くで車がかけてゆく
世界の果てまでかけてゆく
かれの詩は走りだすことはしないが
とどまることもしない
詩が死なないかぎり
かれは死なないだろう
詩がかれを
あきれるくらいに生かすだろう
あきれるくらいの長い夜の終わりにも
かれの部屋を
訪ねてくる人はいない。

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