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詩です。

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自作の詩、または「詩のようなもの」をあつめました。
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2021年10月の記事一覧

「深夜、インスタント麺を食べながら」【詩】

深夜、 カップ・ラーメンをすすりながら ふとかんがえる この国の行くすえ 友人の ひとりの詩…

桑島明大
2年前
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「秋の窓辺に」【詩】

きょうというよき日にも ぼくは死へとまっすぐに向かっている 空は高く どこまでも青い さま…

桑島明大
3年前
7

「解体」【詩】

古い家を解体する 重機の音がする 外は雨 長い雨 ぼくも解体されてゆく 古くなった僕を 僕の抜…

桑島明大
3年前
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「創作」【詩】

魂の かけらをちぎって ねん土みたいに 丸めたり のばしたり たたいたり ほぐしたり この命の…

桑島明大
3年前
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「やさしさ」(改)【詩】

やさしいねっていわれて かおがあかくなったのは うれしかったからじゃないよ きみにきらわれ…

桑島明大
3年前
8

「贈りもの〜夏の午後」【詩】

夏の午後 雨上がりの アスファルトの匂いを 小さな瓶につめて きみのところへ持ってゆく 胸が…

桑島明大
3年前
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「しのこと」【詩】

長い坂道をのぼりながら しのことについて考えた 死 のこと 詩 のこと わた し のこと わた し の し のこと。 冬の日差 し がゆたかにさ し こむ この 市 にも歴 史 があり 思 想がある 一篇の 詩 を 待ち受ける僕は 姿 勢を正し じぶんの長い影の動きに し たがう し がみつく…… かつて し が この町じゅうに転がっていた日 思 索し 詩 作した 戦 士 たちの戦 死 を 僕らには見つめる義務があるら し い 僕らはせめてこの し とともに また し

「やさしさ」【詩】

やさしいねって言われて 赤面したのは うれしかったからじゃない きみに嫌われたくない心を 見…

桑島明大
3年前
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「魂の記憶」【詩】

わたしの魂の記憶は たとえば山の奥を流れる川の音 名前も知らない鳥が どこからかやってきて …

桑島明大
3年前
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「あきれるくらいの詩」【詩】

ひとがみれば あきれるくらいの狭い部屋で あきれるくらいの沢山の書物と あきれるくらいの詩…

桑島明大
3年前
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「地震がくる夢」(詩)

おとといの夜に地震があった 地球がはげしく揺れていた きのうの朝に夢をみた 夢のなかでも地…

桑島明大
3年前
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「しりとり。」(詩)

ぜつぼう。 うた。 たましい。 いのち。 ちきゅう。 うみ。 みなと。 とろっこ。 こた…

桑島明大
3年前
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「心臓のかたち」【詩】

僕の心臓は 故郷(ふるさと)の町のかたちをしている 血液の川が流れ 孤独の三日月が揺れる 僕の…

桑島明大
3年前
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「それぞれの名」【詩】

鳥たちの羽ばたきの一つひとつに それぞれの名前があるとしたら おれたちの一日いちにちに それぞれの名前のつかないことが 虚しくなってくるだろう 大空の雲の一片いっぺんに それぞれの物語があるとしたら おれたちは高い空を見上げるたび 生まれくるこの涙にさえ 新しい名前のつかないことが 悲しくなってくるだろう 鳥のように たった一つの羽音にも 耳を澄まして生きられたなら 雲のように 小さな季節の風にさえ あんなに乗ることができたなら おれたちは自分自身を細分化させ 真新しい名