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息子の悔し涙

さかのぼること2日前。
金曜の夜、息子を寝かしつけていた時のこと。

息子の頭をポンポンなでなでして「おやすみ」と言うと、なぜか急に息子の顔がゆがみ、「うぅぅ〜〜〜」と声にならない声が漏れ、嗚咽に変わった。

え?なに?どうしたの?
慌てる私と、泣きじゃくる息子。

何があったのか問うと、尚も泣きながら、その日に保育園であった出来事を教えてくれた。


息子の話を要約すると、こういうことだった。

その日はクラスで「ちぎり絵」の制作をしていた。先生がみんなに読み聞かせをしてくれている本『エルマーとりゅう』の中から、自分の好きなシーンなりキャラクターなりをちぎり絵で表現しよう、という時間だった。

思い描いたものを作ろうと、新しい紙を取りに席を立った息子。そして自分の席へ戻りながら、(どんなふうにしようかなぁ…)と考えていた。

すると、先生がその様子を見て「作業をせず、ウロウロしている」と判断。息子は罰として、それ以上、制作を進めさせてもらえなくなったという…。


「最後まで作りたかったのに…」
「ウロウロしてたわけじゃないのに…」

途切れ途切れにそんな言葉を発しながら、号泣する息子。
やりたかったことをやらせてもらえなかったこと、そして先生が自分の話を聞いてくれず頭ごなしに怒ってきたことが、悲しくて悔しかったのだ。

それを聞いて私も、悲しくて悔しい気持ちになった。

たしかに彼は、ぼーっとウロウロしていたように見えたかもしれない。集中すると、自分の世界に入りやすい子だから。(そしてそれは多分、私の遺伝だ…。)

でも、担任の先生は理由を聞かず、頭ごなしに怒り、息子を否定する行動をとった。これは親として、見過ごすわけにはいかない。

月曜に、ちゃんと先生に話そう。
文句ではなく、息子が本当はその時どう思っていたか、何をしようとしていたかを。

おそらく、私から何かを言わなくても、きっと後日またどこかでその制作は再開させてもらえるだろう。(作りかけで終わる、ということはないはずだから。)でも、それでは息子の悔しさ・悲しさが宙ぶらりんのままになってしまう。だから、先生にはきちんと伝えておきたい。


息子には、「お母さんも、エルマーとりゅうのちぎり絵、完成したところ見たいなぁ。だから月曜、先生にお話ししてみるね」と言っておいた。

それを聞いて息子はまたちょっと泣いたけど、「うん」と頷いて、だんだん気持ちが落ち着いたよう。しばらくして、スヤスヤ寝息を立て始めた。

寝る前に思い出して、ここまで泣くほど悔しくて悲しかったんだな。
こんな小さな体で、その場では泣くのを我慢してたんだな。

そう思うと、息子の寝顔を見ながら今度は私のほうが泣きそうになった。

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