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勉強嫌いの真実~part2~
前回から勉強が嫌いになってしまうことについて、認知行動療法(CBT)の観点から考察しています。勉強が嫌い、苦手になってしまうのには、単に勉強が出来ないから・・・ということではなく、色々な問題が関わってくるんですねぇ。
上手くいかないことが続くと、誰でもやる気をなくしたり、諦めたり、目標から遠ざかったりしますよね。
・・・という私も何度もダイエットに挫折した覚えがあります。
『自分の運動の頑張りが足りないから痩せないんだ』と、自分をよく責めていた覚えがあります。最後は自暴自棄になって、身長165cm75kg(BMI28:肥満度Ⅰ)までいって、膝は痛くなるし、不整脈は出るし・・・。
今、思うと自分の頑張りだけでなく、色々な問題があったなぁーっと。
さて、話は勉強に戻りますが、勉強が嫌いになるのにも、頑張りが足りないからだけではありません。前回の記事を参考に対処法おを考えてみましょう。
1.頭に浮かんだ考え(認知)
人によっては理系の問題が得意や、文系の問題が得意などあるでしょう。また、算数で言えば、計算問題はよく点数が取れるのに、図形や文章問題は難しいといったことも起きてきます。
小さなつまずきが起きた時に、そのつまずきをどのように捉えるかは、問題を取り組んだ子どもの考えによります。小さなつまずきがあっただけで
無理
オワタ
解けない
帰りたい
こんな問題作るなんて!クソっ!
なんて考えることがあるでしょう。
これはたった1度で、このような考えになる子もいれば、何回かでこのような考えになる子もいます。子どもによって様々です。
では、このような考えにどうやって対処しましょー
一般的には、今もっている考えを十分に表現してもらいます。その上で、別の考え方を提案する方法があります。
問題が解けない→もう無理!ではなく、ここが解けたらカッコいいかも。など考え方を変えていくことが必要です。
とはいえ、いきなりこれをすると、これまでの積み重ねで、学習への苦手感を感じている子どもにとって、大人の考え方を押し付けることになりかねません。この後の項目の『感情』や『行動』と合わせて対処していきましょう。
2.心で感じる気持ち(感情)
上の『1.頭に浮かんだ考え(認知)』と近い考え方になりますが、できなかった問題から起きてくる感情を考えてみます。
周りの友達は問題がスムーズに解けているのに、なんで僕(私)だけ解けないんだろうという『不安』
ミスばかり指摘され続ける『いらだち』
この問題が終わらないと遊べないよーという『焦り』
学習をしながら、色々な感情を子どもたちは感じています。
扁桃体という感情を扱っている脳の部位が、過剰に働いている時には、記憶を扱う前頭前野の働きは抑制されてしまいます。どう考えも、効率的には学習が進まないでしょう。
対処法としては、まずは学習に対する気持ちを十分に聞いてみましょう!
『僕(私)は、勉強が嫌いなんだよ』→『そっかぁ、嫌いなんだね』
『特に国語が嫌いでね』→『国語かぁ』
『字を読むのが苦手で、スムーズに読めないんだ』→『それはきついね』
『読んでいても、前の部分が分からなくなるんだ』→『不安になるね』
など、対話の中で十分に感情の表現をしていきましょう。
ここでやってしまいがちなのは、子どもが感情を表現してきたことに対して、大人が子どもの感情をコントロールしようとすることです。
『そんなに落ち込まないの』
『大丈夫よ、泣かない泣かない』
『怒るから解けないのよ、落ち着いて』
感情はコントロールしようとすると、余計に増幅されてしまうものなんです。子どもがネガティブな感情を表現してきたときには、上の対話のように『そーなんだーそれは不安だね』『ずっときつい思いをしていたんだね』『私が〇〇くんでも同じ気持ちになるな』と気持ちに寄り添うことが必要になります。
『僕(私)には近くに味方がいる』『たとえ、また失敗したとしても、落ち着ける場所があるんだ』と思えるだけで、安心や安らぎ、落ち着き、喜びが感じられます。それだけで、次の学習へ取り組みやすくなります。
個人的には、まずはここが勉強嫌いへのアプローチの初めになるような気がします。『安心の輪』の考え方に近いものがありますね。
3.体に起きる変化(身体)
勉強が苦手で、それが続くと体へもやはり変化が起きてきます。私たちも緊張するとトイレに行きたくなりますよね。
体に起きる変化としては一般的にはこのようなものがあります。
疲労感
腹痛
集中力の低下
爪噛み
頭痛
このような変化が起きている時には、まずは体へのケアをやっていきましょう。
過度な疲労感を感じている時には、休憩をはさんで軽い運動を行う。爪噛みがある時には、ストレス発散を試みる。など丁寧に確認して、1つ1つ対応していく事が必要になります。
ここでも、ついつい学習をしたくないから、このようなことを言い出すのではないか?と思ってしまいがちです。
学習について焦っている大人からすると、気持ちが分からないでもないですが、ここで大人の考えを無理に押し通す事で、更に学習が苦手になることも考えられます。
長い目で見た時に、どちらが子どもの成長がより感じられるかを考える必要がありますね。
4.実際にやる事(行動)
さて、最後は実際にやる事(行動)です。
私のダイエットで言えば、3ヶ月間、毎日10kmは走るぞ!という間違った行動です。初めの3日は走ることも可能でしょう。しかし1週間はもちませんでした。学習も同じです。
3年生の問題ができなくても、3年生の問題をひたすらやり続けるようなものです。おそらく頑張れるのは、初めの1週間でしょう。
よくある対処法としては、スモールステップにしましょう!などがありますが、どの程度スモールにすると良いの?スモールって問題数のこと?それとも難易度のこと?これは色々と明らかにしないといけない事がありそう。
一つの目標を作ったら、それを10段階に分ける事がスモールステップの1つの提案です!10段階って多過ぎない!?と思われるでしょう。
例えば、『文章問題を解けるようになる』が目標だとしたら、第1段階『文字が読める』、第2段階『文で読める』、第3段階『1行の読解ができる』…と言った感じで、10段階作ります。その中で難易度を調整していきます。
とにかく、ビックリするくらいスモールステップにしていく事が必要です。つまづいているところを根気強く、コツコツ取り組んでいく事が求められます。
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認知行動療法(CBT)の概念に基づいて、勉強嫌いについて考えてみましたが、いかがだったでしょうか?
学習だから、個人がひたすら頑張ればどうにかなるでしょう!とはならないんですね。理想を言えば、勉強嫌いになる前から、勉強に対する考えや気持ち、スモールステップができると、より学習が定着しやすくなるかもしれませんね。
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