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子どもが思うように動いてくれるには、このABCだ!

 買い物に行くと玩具、お菓子、ガチャガチャコーナーは、子どもにとって好きの場所でしょう。親としては、いかに買わずに帰るか至難の業です。実はその方法があるんです。

 子どもがオモチャやお菓子を欲しがるのは、ごく自然な事で、お買い物についていく楽しみでもあります。しかし、それを買わないと『帰らない!』となってしまうと、毎回買わないといけなくなるので、家計の圧迫にもつながります。

応用行動分析(Applied Behavior Analysis)

 そこで考えるのが『応用行動分析(Applied Behavior Analysis)』という考え方です。

 子どもの『買う』という行動を、『我慢ができないから』とか『欲しがるから』など、子どもの内面に原因があるように考えるのではなく、先行事象(Antecedent)、行動(Behavior)、結果事象(Consequence)で捉えます。

 『先行事象(Antecedent)』とは、ワクワクする場所に行く、オモチャが目に入るなど指します。初めてオモチャコーナーに行く時は、子どもにとって、そんなにワクワクする場所ではありません。見慣れたキャラクターの箱が沢山並んだ、ただの場所です。

 更に一歩進んで、その好きなオモチャの箱を手に取り、レジに行く、もしくは大人が持っているお店のカゴに入れるという『行動(Behavior)』をする。

そうする事で、好きなオモチャが手に入り、家で楽しく遊ぶ事ができるというポジティブな『結果事象(Consequence)』が起きます。

 お買い物において、このようなA→B→Cが繰り返される事で、子どもがオモチャやお菓子を欲しがる行動がどんどん強くなっていきます。

 では、どうしたら、この子どもが買うという『行動(Behavior)』が減らせるのか、それを考えるには『先行事象(Antecedent)』と『結果事象(Consequence)』をいかに変えるかが関わってきます。

『買う』行動を減らすには

 そもそも、お菓子コーナーやオモチャコーナーがなかったら、買うという行動も起きないでしょう。また、そんなワクワクするコーナーが見えないようにしながら、お店を回りながら、買い物を済ませるという事ができれば、オモチャを買うと言う行動も、いくぶんかは減らせるでしょう。

しかし、どちらも一度好きなものが手に入る、という経験をしてしまうと効果がないのは分かります。お店にオモチャやお菓子のコーナーがない、ということはほとんどありえませんし、一度お店に行くとオモチャの場所も覚えてしまいます。

では、『結果事象(Consequence)』を考えるのはどうでしょう。

 『買う』という行動をしてしまうと、『楽しい』『嬉しい』『遊べる』といったポジティブな結果が、すでに分かっています。
しかし、『買う』という行動をとっても、その子どもにとって、『楽しい』『嬉しい』『遊べる』といったポジティブな感情が湧かなかったらどうでしょう。

 買っても、なかなか遊べなかった、楽しくなかったなど、ネガティブな結果が起きると、『買う』という行動は減っていく事が想像つきます。

こんな場面にも応用

 おもちゃを買ってもらえなくて、泣いている子どもにも応用がききます。
お店に行き(A)、泣く事(B)で、買ってもらえる(C)という流れです。泣いても、買ってもらえないと一時的には泣く事が強くなりますが、泣いても買ってもらえないなら、泣く意味がなくなるので、泣く回数は少なくなるでしょう。

 人が多いお店だと、人の目があるので、ついつい買ってあげたくなるのですが、そこはひと目のつかない場所に移動して、思う存分泣かしてあげましょう。

 今回はお買い物を例に、応用行動分析を考えてみましたが、他の場面でも活用ができます。『宿題をする』『歯磨きをする』『お風呂に入る』、日常的に子どもが嫌がる行動全てに応用がきくでしょう。

発達障碍分野でも応用

 発達障害分野でも、かなりの応用がなされています。
行動の困難さを、子どもの能力が原因とせず、『先行事象(Antecedent)』や『結果事象(Consequence)』を変える事で、環境に合った行動を取れるように支援していきます。

 私たちの行動は思いのほか、先行事象と結果事象に左右されています。日常生活の中で、何か変えたい『行動』がある時は、ABCで考えてみてはいかがでしょうか?

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