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加配保育士さんのお悩み~パート2~

 この記事は、発達に特性があるお子さんは、園での生活がとても大切だと思い、『加配保育士』について論文をもとに書いています。
 前回までの加配保育士の『現状と課題』も参考にしてみてください。
それでは、解説していきましょう。

ネタバレ

  • 加配保育士さんは、パート勤務が多く、現場ではとても忙しくなっている。

  • 加配保育士さんは、特性のあるお子さんの『個人』や『集団』の力を伸ばせるように、同じ園の職員や保護者さんから期待されている。

  • 色々な課題があり、解決の工夫として、ハード面とソフト面がある。

加配保育士さんのお仕事

 前回の記事でもご紹介した通り、加配保育士さんのおよそ70%は、やはりパート採用(非正規職員)となっています。また40%の加配保育士さんは、1週間に3日の勤務状況となっています。更には、1人の加配保育士さんが、4人以上のお子さんを担当していると答えた割合が未記入も含めると約35%となっています。
 このことは、加配保育者として働いているものの、特性を持っているお子さんとの関わりや、担任保育者との関わり、また保護者との関わりが少なくなってしまっていることが考えられます。

加配保育者の実態調査
加配保育者の実態調査
加配保育者の実態調査

加配保育士さんの専門性 

 加配保育者は、担任の先生とは違った、保育に関する知識や技術が必要で、お子さんの特性が一人ひとり違うことにより、援助が難しかったり、ご自分の援助が合っているかどうか、自信がなかったりすることが悩みとして挙げられています。具体的には、特性を持ったお子さんの『個人』としての成長と、また『集団』としての成長について、両立できるように支援することの難しさがあるようです。
 ここまでをまとめると、加配保育士さんは『1週間に3~5日』『短時間』の勤務であり、およそ『1日に4名以上』の特性のあるお子さんを担当している事になります。
 加配保育士さんは、特性をもったお子さんの保育の中心的な役割を担う必要がある、と言われていますが、その一方で、障害児保育経験が浅いだけでなく、パート勤務であるため、その知識や技術が蓄積されにくいという問題が明らかとなっています。

解決するには?

  1. 特性を持ったお子さんが、個人としてどのようなお手伝いが必要なのか、また集団の一員として、クラスの中でどのようにしたら、楽しく生活していけるのかを、担任保育者と連携を図るうえで、『情報共有ノート』がとても有効です。

  2. 障がいのあるお子さんと、ないお子さんが一緒に学べるかどうかは、子どもの問題でもあり、具体的には『障がいのない』お子さんが、『違いがあってもみんな一緒に』と思えるかどうかでもあると言えます。どのようにして『仲間はずれ』が起こるのか、また一緒に学ぶことについて、子ども同士の関係や、保育者との関係、活動や環境との関係をしっかり検討する必要があります。

  3. 加配保育士さんが行う、障がい児の保護者支援や関わりの難しさは様々な論文で言われていますが、ほとんど研究されていません。障がい児の保護者支援は、その保護者さんの障害の受容段階を踏まえて援助する、など専門的な知識と援助が求められます。

まとめ

 以前に書いた記事同様、加配保育士さんは日々時間のない中で、活動されています。その範囲は広く、担当しているお子さん、職員、保護者と色々な分野にわたります。
 言語聴覚士として、加配保育士さんへ情報提供や、関わり方の工夫、特性への配慮、更には保護者さんへの適切な働きかけなど、わずかな事でも連携を取ることで、加配保育士さんのお仕事の負担軽減や、自信につながるような連携が取れるといいなと思います。

引用・参考文献

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