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4月3日

息子を見ていると
はてさて、私はこの子と同じくらいの時
どんなことを思い
どんなことを感じていた
どんな子だったかなと
頻繁に思う。

私は断片的ではあるものの
子供の時の記憶が結構ある方だと思う

私は多分、口が悪かった。
でも、自分が口が悪いことを知らなかった
むしろ自分が口が悪いなんて夢にも思っていなかった。
それは語彙力がなかったのと
注意してくれる大人が近くにいなかったせいだと思われる。

具体的には相手のことを、つまり二人称が、
あなたとか君とかじゃなくて
「おまえ」だった。

そんな感じで意図せず口が悪かったし
なぜか自信満々だった
故に、きっと大人からしたら生意気で可愛くない
ムカつくタイプの子どもだったきがする。
同じ歳の子に対して
意地悪をするという発想はないのに
口が悪いため、第一印象で
怖いと思われたりしていたかもしれない

ちなみになんで二人称が「お前」であったことを覚えているかというと
学童に入った時、一つ上のお姉さんに
「お前、って年上に対して失礼じゃない??やめてよ」
と、みんなの前でハッキリ言われ
その時、初めて
お前という言葉が失礼であると知って
ひどく恥ずかしかったのを覚えているからだ。
私にそう指摘してきた2年生の彼女は
2年生にしては少し大人びていたし
私と違ってきちんと賢かった。

私はと言うと、
変に頭が悪く、少しだけ変に賢かったと思う。

私の家は、親はフルタイムの共働きでとても忙しかった。親との時間より兄弟での時間が長かったように思う。
親が忙しくしていることも分かっていたから
できるだけ子供たちで色々を解決していた。
そんな感じで、私の親は私の言葉遣いになど小さなことに、いちいち注意を払ってはいなかったのだろう。
とりあえず3人で無事に遊んでいるようだ!
なんか楽しそう!
生きてる!OK!
といった感じでとても大雑把に育てられた。

故に
ガラパゴス的にテレビアニメや
2つ上の兄、絵本、周りの子どもたち
そして大人たちの話を聞き齧り
変な言葉をインプットして
デイリーに使っていたのだろう。
ろくなもんじゃない

今日息子が寝る前に
「ちょっと嫌なことあったんだ。遊びに入れて!って言ったら俺だけダメって言われたんだよ。
チェッ!て思ってポケモンの絵を描くことにした」
とのこと。

そいつマジムカつくなー
仲間はずれしてくんなよ
息子、そこで引き下がって一人遊びを選んで
お前偉いな!
強いな、かっこいいぞ!

と言いながら思い出した
私は「いーれーてー」が言えない子だった
だって断られたら悲しいから。
そして断られたら悲しいことを知っていたので
逆に
「いーれーてー」と言われたら
「ダメ」と言えない子だった。

二人称が「お前」のくせして
謎に繊細でアンバランス
我ながらキモい。

とりあえず、あの頃の私とは全く違う息子。
強く、たくましく、ポジティブで
キャラがぶれてなくて
もはや羨ましい

そして
子供は「言葉が全てではない」ということも
自分の幼少期を思い出し再確認した。
子供の大丈夫は大丈夫じゃないこともある
気分や性格を正しく表す言葉をいつも
選べているとは限らない、むしろいつも選べていないかもしれない。
「あなた」のテンションで「お前」と言っていた、あの頃の私ように。

意図せずキャラがメチャクチャな幼少期の自分が
そのまま大人になったせいで
今の自分、つまり
少々のセンチメンタリズムと
しっかりとした太々しさを兼ね備えた
謎のおばちゃん
が出来上がったのは辻褄が合いすぎる。

これからも息子の成長とともに
昔のあれこれを思い出して
謎の答え合わせが意図せず捗りそうで怖い。

せめて
あの頃の
日々、ほんの少しだけ消化不良だった小さな自分に、ピッタリの言葉を。
今更ながら見つけてあげられるといいなと思わなくもない。

今日は盛大に寝坊して、息子のな弁当にサンドイッチを持たせた。母の罪悪感とは裏腹に、サンドイッチに喜ぶ息子に救われる。







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