見出し画像

【WSJ】OpenAPの現在~テレビ広告販売の改善に向けて

By Alexandra Bruell (Jan. 11, 2021 6:00 am ET)
テレビネットワークのグループ会社OpenAPは、広告主と売り手が、テレビ広告のバイイングにおいてターゲティングと自動化へと向かう中、サプライサイド・プラットフォーム(SSP)を立ち上げます。

広告大手のオムニコムは、大手テレビネットワークから購入可能なCMを示す新しい技術をテストしています。

OpenAPは、広告主が利用可能なCMタイムを見られるように技術をアップデート、そのシステムを、よりデジタル広告プラットフォームに近いものにしています。

ComcastグループのNBCUniversal、Fox、ViacomCBSなどの競合他社をメンバーとするOpenAPは、テレビ広告の買い手と売り手のために、時代遅れの取引プロセスを自動化し改善するシステムの構築に取り組んできました。

今回発表されたのはSSPで、これはデジタルパブリッシャーが、広告販売を自動化するために使用している一般的なソフトウェアです。

OpenAPのSSPは、CP全体を通して、広告主がより効率的なターゲティングによるCM購入を模索し、パブリッシャーがデジタル大手から広告費を取り返そうとしていることを受けたものです(広告主側でのデジタル予算のシェアは大きくなっています)。

「代理店はデータ製品や最適化ツールに投資してきましたが、販売側からみると、それらのツールは透明性に欠けています」
OpenAPの最高経営責任者であるDavid Levyは述べています。「これにより、より効率的な購入が可能になるため、無駄が少なくなります。」

SSPは、(OpenAPの)既存製品「OpenAP Market」と異なり、広告主は過去のテレビデータを利用してプランを作成することができます。OpenAP Marketでは、広告主は、消費者へのリーチを目的としたCM在庫を見つけて選ぶために、各テレビ事業者と直接作業する必要がありました。

持株会社オムニコム・グループは、OpenAPと協力して、SSPのテストと立ち上げを行いました。
オムニコムは、メディア代理店OMD、PHD、Hearts & Scienceを所有しており、自社データおよびプランニングシステム「Omni」をOpenAP SSPに接続しました。オムニコムは、独自データセットやOpenAPのシステムを通じて構築したデータセットを使用、消費者を最もターゲティングする在庫をプランニングし、特定のユニットに発注できます。注文したからといって、必ずしも在庫が確保されるわけではありません。テレビ事業者は、注文確認後24時間以内に買い手側に返信することが期待されています。
広告ユニットが利用できない場合、パブリッシャーは、おそらく同等の広告ユニットを提案してくるでしょう。

Levyによると、例えば、車を購入しようとしている人々にリーチしようとしているマーケターは、このシステムを使って、様々なネットワークから比較的集中している番組を見つけることができると言います。
このシステムを使えば、買い手は、OpenAPのテレビネットワークから、基準を満たし利用可能なCM在庫を見ることができる様になります。

「ある意味で、私たちの歩みは遅いですが、別の意味では、私たちがクライアントに代わって、デジタルで行ってきたように、リニアテレビを扱うことが出来るようになりつつあるという意味では、大きな飛躍です。」
オムニコム・メディア・グループのAdvanced Advertisingのマネージング・ディレクター・Matthew Kramerは述べています。

このSSPは、スキャター市場で最も有用になるだろう、と彼は言いました。
これは、(前もって)アップフロントで購入するのとは対照的に、シーズンが本格的となり、買い手が、より番組の放送間際に広告を購入する時期を示唆したものです。

これは伝統的なテレビのための最初のSSPではなく、ネットワークがシステムを通じて提供する在庫の品質はまだ分からない、と同氏は述べています。
それでも、代理店グループは、Omniの独自データセグメントを使用して在庫を選択・発注、プランを最適化するなど、プロセスをより管理できるようになると期待されているとのことです。

SSPを介して、広告の買い手が提供される在庫を選択、予約したら、彼らは個々の売り手と連携し、取引を完了するために、伝統的な(広告挿入の)注文を行う必要があります。

一時期、OpenAPは、テレビ広告市場をプランニングから取引完了までを完全に自動化するシステムの構築に取り組んでいました。
しかし現在、OpenAPは、データに基づいたテレビ広告の取引を促進することに重点を置いている、とLevyは述べています。

所有するよりも、購入を可能にする方が機会は多くなると彼は言います。

「代理店とパブリッシャーの間には、既にコミットされたマーケットが存在しており、予算をそのマーケットから外に出したり、新たな予算を獲得することに注力するのではなく、既に存在している広告支出を最適化する機会が増えています。」と彼は言います。

OpenAPにおける買い手と売り手の取引条件は、デジタル広告を販売するソフトウェア会社のそれに似ています。
売り手は、プラットフォームを介して取引される広告収入の売上に基づいてOpenAPに料金を支払う。また、(OpenAPの)SSPにプラグインすることを選択した買い手に対しては、カスタム料金の取り決めもあるかもしれない、と同社は述べています。
OpenAPとOmnicomは、取引条件を明らかにすることを拒否しました。

デジタルエコシステムと同じく、技術料は、広告主が、よりターゲティングした広告を配信することで無駄を省くことを支援する費用だと、Kramerは述べています。

「リニアテレビでも同様の結果が得られると考えていますが、実際にテストして学び、正しいアプローチの方法を見極めるには時間がかかります」と、彼は言います。

OpenAPのSSPには、A+E Networks、AMC Networks、Fox、NBCU、Univision、ViacomCBS、Weather Channelの在庫が含まれています。

OpenAPは、最終的には、テレビネットワークの(広告型)デジタルプラットフォームの在庫を追加する計画です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?