見出し画像

5月国内企業物価指数・前年同月比は4月の+0.9%から+2%台まで上昇率が高まると予測。4月機械受注(除船電民需)前月比は3カ月ぶりの減少を予測。―日本の主要経済指標予測(2024年6月5日)―

再エネ賦課金の影響や昨年5月前月比の反動などで、5月国内企業物価指数・前年同月比は+2.1%程度と4月の+0.9%から上昇率が高まると予測。(6月12日発表)

 4月の国内企業物価指数・前年同月比は+0.9%になりました。+0.8%から+0.9%に上方修正された3月と同じ上昇率になりました。21年3月からエネルギー価格高騰や円安を背景に38カ月連続前年同月比プラスが続いています。前年同月比は22年12月の+10.6%をピークにして23年12月+0.3%・24年1月の+0.3%まで鈍化傾向でしたが、2月は+0.8%と0.5ポイント伸び率が高まり14カ月ぶりに前月を上回りました。3月も0.2ポイント2月を上回りました。4月は3月と同じでした。

 4月の電力・都市ガス・水道の前年同月比は▲19.7%で、3月の▲19.1%から若干下落率が拡大しました。23年7月から10カ月連続下落になりました。一方、上昇した類別をみると、4月は非鉄金属が前年同月比+11.7%と⒉ケタの伸び率になりました。3月の+5.8%から大きく上昇しました。

 23年2月の前年同月比が+8.5%もあった飲食料品の前年同月比は最近だいぶ落ち着いてきました。4月の飲食料品・前年同月比は+2.9%と3月の+4.0%から鈍化しました。 

 5月の国内企業物価指数の前年同月比は+2.1%程度と4月の+0.9%から上昇率を高めると予測します。昨年5月の前月比が再生可能エネルギー発電促進賦課金単価引き下げなどで▲0.7%の下落だった反動が出ると見ました。今年の5月の前月比は+0.5%程度とみました。 

 5月から再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が1.40円/kWhから3.49円/kWhに引き上げられたことが、上昇要因になるとみました。 

 国内企業物価指数に対し先行性がある関連指標の日経商品指数42種は、5月は前月比+1.4%と5カ月連続の上昇になりました。人件費や輸送費の高騰が資材価格に波及しました。また、円安による調達価格の上昇が国内に波及しました。5月の日経商品指数42種の前年同月比は+8.4%で、4月の+6.6%から1.8ポイント上昇率が高まりました。

※国内企業物価指数24年5月前年同月比は筆者予測値

4月機械受注(除船電民需)・前月比は3カ月ぶりの減少になると予測。(6月17日発表)

 設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力除く民需、以下、除船電民需)の3月前月比は+2.9%と2カ月連続の増加になりました。製造業は前月比+19.4%と2カ月連続の増加。造船業、その他輸送用機械等の8業種が増加で、繊維工業、食品製造業等の9業種は減少となりました。非製造業(除船電)は▲11.3%と3カ月ぶりに減少しました。リース業、電力業等の4業種で増加、鉱業・採石業・砂利採取業、農林漁業等の8業種は減少となりました。
 
 3月の機械受注(除船電民需)の大型案件は全部で5件でした。内訳は、製造業・非鉄金属の金属加工機械1件、製造業・造船業の内燃機関3件、非製造業・通信業の通信機の1件でした。2月は非製造業・その他非製造業のその他産業機械の1件でした。
 
 3月の機械受注(除船電民需)の3カ月移動平均が前月比+3.0%と⒉カ月連続の増加になり、内閣府の基調判断は「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」に、「足元は弱含んでいる」から上方修正になりました。
 
 4月機械受注(除船電民需)の前月比は▲2.6%程度と3カ月ぶりの減少を予測します。機械受注(除船電民需)の3カ月移動平均は前月比+2.5%程度と3カ月連続増加になるとみます。4月の前年同月比は+0.4%程度と、3月の+2.7%から増加率が縮小するものの、2カ月連続の増加になると予測します。
 
 関連データである、日本工作機械工業会の工作機械の国内向け受注額をみると、24年4月の前年同月比は▲12.8%です。21年3月から22年8月まで18カ月連続増加となった後、19カ月ぶりの減少になった22年9月は▲8.9%でした。以降、10月▲11.4%、11月▲8.7%、12月▲17.4%、23年1月▲1.7%、2月▲20.2%、3月▲18.0%、4月▲21.5%、5月▲23.6%、6月▲30.4%、7月▲24.2%、8月▲31.0%、9月▲14.1%、10月▲24.5%、11月▲28.4%、12月▲9.5%のあと、24年に入って1月▲29.5%、2月▲16.4%、3月▲0.2%と縮小したあと、減少率は再拡大し20カ月連続の減少になりました。

※24年4月は筆者予測値

景気ウォッチャー調査の24年4月設備投資関連・現状判断DIは58.3、先行き判断DIは50.0。

 景気ウォッチャー調査の設備投資関連・現状判断DIは、23年3月64.3(回答したウォッチャー7人)、4月54.2(同6人)、5月50.0(同6人)、6月52.1(同12人)、7月53.6(同7人)、8月50.0(同4人)、9月60.0(同10人)、10月50.0(同7人)、11月50.0(同7人)、12月59.4(同8人)、24年1月46.4(同7人)、2月48.1(同13人)、3月53.6(同7人)、4月58.3(同9人)と推移しています。24年4月では、「観光客の増加により、観光業と飲食業が特に好調である。また、製造業においても設備投資をする会社が増えてきている。(北陸:税理士(所長))」というコメントがありました。
 
 また、設備投資関連・先行き判断DIは23年3月62.5(回答したウォッチャー4人)、4月75.0(同2人)、5月71.4(同7人)、6月52.8(同9人)、7月60.7(同7人)、8月54.2(同6人)、9月62.5(同6人)、10月58.3(同6人)、11月50.0(同13人)、12月45.8(同6人)、24年1月60.0(同10人)、2月62.6(同11人)、3月50.0(同7人)、4月50.0(同8人)と推移しています。と推移しています。24年4月では、「2~3か月先は、業界的にお盆前の設備投資が期待できるため、現在の好況のまま変わらないと予測する。(東海:電気機械器具製造業(経営者))」というコメントがありました。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。