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5月貿易統計・通関収支差は2カ月連続の赤字に。5月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は、再エネ賦課金引上げで上昇する見込み。―日本の主要経済指標予測(2024年6月10日)―

5月貿易統計・通関収支差は▲1兆2,200億円程度と2カ月連続の赤字を予測。(6月19日発表)

 5月30日に発表された4月貿易統計確報によると、輸出金額は8兆9,801億円、前年同月比+8.3%で5カ月連続の増加、輸入金額は9兆4,457億円、前年同月比+8.3%で2カ月ぶりの増加となりました。輸出と輸入の差引額は▲4,656億円と⒉カ月ぶりの赤字になりました。前年4月は▲4,298億円から+8.3%赤字幅が拡大しました。
 
 前年同月比でみて、輸出では、自動車、半導体等製造装置、半導体等電子部品などが増加しました。大きく減少した品目はありませんでした。一方、輸入では、原粗油、航空機類、電算機類(含周辺機器)などが増加し、石炭などが減少しました。
 
 5月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は▲1兆2,200億円程度と2カ月連続の赤字になると予測します。前年同月の▲1兆3,823億円から赤字幅が▲11.7%程度縮小すると予測しました。なお、5月上中旬の通関収支差は▲1兆3,538億円で、前年同旬の1兆3,983億円から赤字幅が▲3.2%程度縮小しています。
 
 5月の輸出額は8兆3,773億円程度、前年同月比は+14.9%程度と6カ月連続の増加になると予測します。5月上中旬で輸出額は前年比+14.8%の増加でした。輸出が大きく増加した品目は自動車、半導体製造装置、半導体等電子部品などでした。大きく減少した品目はありませんでした。
 
 5月の輸入額は9兆5,973億円程度、前年同月比は+10.6%程度と2カ月連続の増加になると予測します。5月上中旬で輸入額は前年比+10.1%の増加でした。輸入で大きく増加した品目は電子計算機類(含周辺機器)、通信機、医薬品などでした。大きく減少した品目は石炭でした。
 
 5月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は86,895円/㎘で前年同旬比+18.5%程度の上昇でした。数量は前年同旬比▲16.7%程度の減少、金額は前年同旬比▲1.4%程度の減少でした。

※2024年5月は筆者予測値

5月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.6%程度と、再エネ賦課金引上げで4月の+2.2%から上昇を予測。(6月21日発表)

  4月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.5%と3月の+2.7%から伸び率が0.2ポイント鈍化したものの、32か月連続上昇しました。生鮮食品の前年同月比4月は+9.1%で3月の+5.5%から上昇率が高まり+0.15ポイント総合の前年同月比の上昇に寄与しました。一方、生鮮食品を除く食料の前年同月比4月は+3.5%で3月の+4.6%から上昇率が鈍化し▲0.26ポイント総合・前年同月比の鈍化に寄与しました。
 
 4月の生鮮食品を除く総合は、前年同月比で+2.2%と3月の+2.6%から0.4ポイント伸び率が鈍化したものの、32か月連続での前年同月比上昇でした。
 
 エネルギー価格の前年同月比4月は+0.1%で3月の▲0.6%の下落から上昇に転じ、+0.05ポイント、総合・前年同月比の上昇に寄与しました。
 
 4月の生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年同月比+2.4%上昇で、+2.9%だった3月分から0.5ポイント低下しましたが、25カ月連続での前年同月比上昇になりました。
 
 5月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.9%程度と4月の+25%から0.4ポイント程度上昇率が高まり、33カ月連続の上昇になると予測しました。前月比は+0.5%程度とみました。
 
 5月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.6%程度と4月の+2.2%から0.4ポイント程度上昇率が高まり、33カ月連続の上昇になると予測します。前月比は+0.5%程度とみました。5月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.3%程度と、生鮮食品を除く食料などを主因に、4月の+2.4%ら0.1ポイント程度上昇率が鈍化するものの、26カ月連続の上昇になるとみました。前月比は+0.2%程度と予測しました。
 
 既に発表されている5月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)と5月大阪市消費者物価指数(中旬速報値)のデータなどを参考に予測しました。
 
 5月の東京都区部消費者物価指数・総合・前年同月比は4月の+1.8%から+2.2%に0.4ポイント上昇しました。5月から再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が1.40円/kWhから3.49円/kWhに引上げられたたため、電気代が大幅に上昇しました。4月の電気代・前年同月比は▲2.1%の低下でしたが、5月は+13.1%の上昇で、+0.39ポイント総合・前年同月比の上昇に寄与しました。
 
 生鮮食品を除く総合・前年同月比は+1.9%上昇と4月の+1.6%から0.3ポイント上昇しました。4月以降の東京都区部の生鮮食品を除く総合・前年同月比が、全国の2%台と異なり1%台なのは、東京都では24年度より高校の授業料助成の所得制限を撤廃し実質無償化した影響が大きいからです。東京都区部の5月の生鮮食品とエネルギーを除く総合指数・前年同月比は4月の+1.8%から+1.7%に0.1ポイント鈍化しました。
 
 5月の大阪市消費者物価指数をみると、総合は・前年同月比は+2.7%で4月の+2.2%から0.5ポイント伸び率が高まりました。生鮮食品を除く総合・前年同月比は+2.5%で4月の+1.9%から0.6ポイント伸び率が高まりました。生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.2%と4月の+2.1%から0.1ポイント上昇率が鈍化しました。

※全国消費者物価指数24年5月前年同月比は筆者予測

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。