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10~12月期実質GDP(第1次速報値)は前期比年率+1.7%程度と2四半期ぶり増加か―日本の主要経済指標予測(2024年1月31日)―

10~12月期実質GDPでは、個人消費、設備投資、輸出など前期比増加か。(2月15日発表)

 10~12月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比+0.4%程度、前期比年率+1.7%程度と、2四半期ぶりに増加に転じると予測します。外需の前期比寄与度がサービス輸出が大幅増加になることでプラスになることや、3四半期ぶりに個人消費と設備投資が前期比増加に転じることが期待されます。
 
 10~12月期実質GDP第1次速報値では内需前期比寄与度は+0.2%程度を予測します。内訳をみると、民間需要が+0.2%程度のプラス寄与度、公的需要は0.0%程度の寄与度ゼロとみました。また、外需の前期比寄与度は+0.2%程度のプラスになると予測しました。
 
 実質・個人消費は前期比+0.3%と、物価高という抑制要因だった物価が幾分落ち着いてきたことや、賃金上昇への期待が高まったことなどが影響し、3四半期ぶりに若干の増加に転じると予測します。供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の10~12月期・前期比は+1.4%の増加になりました。同じく供給サイドの関連データである10~12月期・非耐久消費財出荷指数は同+1.9%の増加です。参考までに、名目ベースの商業販売額指数・小売業は、10~12月期・前期比は▲1.7%の減少になりました。
 
 一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の10~11月平均の対7~9月平均比は+1.2%の増加になっています。また、乗用車販売台数の10~12月期・前期比は▲0.7%の減少になっています。
 
 家計最終消費支出の推移を様々な月次データによる時系列回帰モデルによって推測している総務省の総消費動向指数の10~11月平均の対7~9月平均比は+0.1%の増加です。また、財とサービスに関する各種の販売・供給統計の月次データから算出している日銀の実質消費活動指数(旅行収支調整済)の10~11月平均の対7~9月平均比は▲0.7%です。
 
 以上から総合的に考えると、10~12月期第1次速報値の個人消費は、前期比で+0.3%程度の増加になると予測されます。

 設備投資の関連データである資本財出荷指数の10~12月期・前期比は+2.4%の増加です。資本財(除.輸送機械)出荷指数の10~12月期・前期比は同+1.3%の増加になりました。また、建設財は同+2.7%の増加です。一方、特定サービス産業動態統計のソフトウェア開発、プログラム作成の10~11月の前年比は各々+1.9%、+3.8%で7~9月期の+8.3%よりやや鈍化しています。
 
 これまで日銀短観の設備投資計画などは強い内容であるのに反して、設備投資関連の経済指標は弱めのものが多かったのですが、12月の前月比が、資本財出荷指数+13.1%、資本財(除.輸送機械)出荷指数+10.3%、投資財出荷指数+3.0%と強めの伸び率になったことで状況が一変し、実績のデータもしっかりしてきました。GDP統計で供給サイドから推計される10~12月期の実質設備投資は前期比+0.9%程度の増加になると予測しました。
 
 民間在庫変動の前期比寄与度は▲0.1%程度と予測しました。ARIMAモデルにより内閣府が7~9月期第2次速報値時点での情報を使って算出・公表した、10~12月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲2,832億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は+134億円です。一方、鉱工業在庫指数の前期比は、7~9月期は▲2.1%でしたが、10~12月期は▲0.7%になったことなどを考慮しました。
 
 実質輸出入の動向をみると、輸出の10~12月期・前期比は+0.2%の増加になりました。控除項目の輸入は同+0.9%の増加になっています。一方、内閣府が算出した輸出数量指数の10~12月期・前期比は▲1.1%の減少です。輸入数量指数の10~12月期・前期比は▲0.8%の減少です。財のデータでみると7~9月期の外需(財)の前期比寄与度は若干のマイナスになると思われます。一方、景気を把握する新しい指数一致指数に採用されている実質サービス支出は10~11月平均の対7~9月平均比は+17.9%と大幅な増加です。
 
 財・サービス合わせた10~12月期・GDPの実質輸出は+1.6%程度の増加、輸入は同+0.7%程度の増加と予測しました。10~12月期の外需の前期比寄与度は+0.2%程度になると予測しました。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。