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全国のホームレス数は、景気回復と自立の支援対策で大きく減少。東京23区は、23年8月も減少傾向継続。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2023年11月22日)―

厚生労働省が集計した「ホームレスの実態に関する全国調査」、第1回は03年で全国のホームレスは2万5,296人。20年後の23年は3,065人と8分の1弱まで減少

  全国の市区町村が巡回による目視でホームレスの人数を調べ、厚生労働省が集計した「ホームレスの実態に関する全国調査」によると、全国のホームレスは23年1月時点で3,065人でした。03年に厚生労働省が初めてこの調査を実施して以降、ホームレスの人数は「ホーム レスの自立の支援等に関する特別措置法」および「生活困窮者自立支援法」に基づく支援などの取組の成果により、減少傾向にあります。また、最近のホームレスの動向やそれを取り巻く環境の変化等を踏まえ、23年7月31日には、新たなホームレスの自立の支援等に関する基本方針が策定されています。
 
  「ホームレスの実態に関する全国調査」は最初の調査から4年後の07年に2回目が実施され、以後毎年1月に実施されています。自治体の自立支援策の効果もあり、07年では4年前から6,732人減と約▲27%減少しました。その後、リーマンショックの影響で09年までの減少テンポは鈍った感じがありましたが、10年以降は景気の持ち直しもあり、順調に23年まで減少してきました。最初の調査から20年後の23年には8分の1弱まで減少しました。

ホームレスの多くが暮らすのは大都市。起居する場所は、都市公園、河川、道路の順だが、ほぼ同じ割合。・・・・・ホームレスの実態

  23年1月「ホームレスの実態に関する全国調査」によると、なお、全国のホームレスの中で、東京23区(国管理河川(国土交通省調査)を含む)及び政令指定都市の割合は79%になります。このようにホームレスの多くは大都市で生活しています。

   ホームレスが確認された場所の割合は、「都市公園」25%、「河川」24%、「道路」22%、「駅舎」6%、「その他施設」23%となっています。「都市公園」、「河川」、「道路」の順ですが、概ね同じ割合と言えます。

23年8月の東京23区の国管理河川(国土交通省調査)を除くホームレス数は、ピークの約15分の1に減少

   古くからデータがある東京23区のホームレスのデータである23年8月「路上生活者概数調査」が判明しました。東京都福祉局(2023年6月までは福祉保健局)によるこの目視の調査は、年に2回、冬期・1月(07年までは2月)と夏期・8月に行われています。なお、ホームレスの人数は夏期の方が冬期より若干多くなる傾向があります。
 
    23年8月の東京都のホームレスは、都・区市町村の調査による人数が402人(区385人、市町村17人)、国管理河川(国土交通省調査)が243人、東京都の合計で645人でした。
 
    東京23区の国管理河川(国土交通省調査)を除くホームレスのデータで長期的な推移をみると、バブル景気崩壊により最初の調査である95年から過去最高の99年8月の5,798人まで増加しました。その後04年8月まで5,000人台の高水準で推移した後で減少に転じ、23年1月は384人、23年8月は385人とピークの約15分の1まで低下してきました。
 
    かつて5%台の高水準だった完全失業率が、現在2%台半ばまで低下していることに示唆されている雇用環境の改善が、近年のホームレスの減少につながっていると思われます。 

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。