稲坂 晃義

千葉工業大学創造工学部デザイン科学科准教授|空間のデザインを軸足に様々なデザイン領域に…

稲坂 晃義

千葉工業大学創造工学部デザイン科学科准教授|空間のデザインを軸足に様々なデザイン領域にピボットしながら、「未来のハピネスをデザインリサーチで探求する」をビジョンに掲げ、教育・研究活動しています。

マガジン

  • 徒然なることたち

    日々の徒然なることたち(主に雑感)を語っていきます。

最近の記事

猿猴月を取る

ここ最近,自分のキャリアのことを考えることが多くなってきた.現職においては今年で10年目,大学教員になって15年目といういわば節目の年のあるからだろうか.人生をトータルに考えれば,恐らく折り返し地点はすでに過ぎていて,時折振り返って見ることがあるが,その時々の失敗や苦労はあるものの,けして悪い人生ではなくむしろ良い方なのではないかと思っている. 僕の好きな物語の一つにミヒャエル・エンデの「モモ」がある.その中の登場人物の1人であるベッポじいさんが,主人公のモモへ語った言葉は

    • 魚、心あらば、水、心あり

      この1ヶ月怒濤の毎日で気付けば4月も終わり。あっという間と言ってしまえばそうなのだか、たくさんの変化があったとも言える。3月末に卒業生・修了生を送り出し、4月に入れば新入生を迎え入れる。在校生はそれぞれ学年があがり、フレッシュな空気感が全体的に漂う。今年は桜の開花が遅かったせいか、4月初旬はなんだかいつもより華やかだった気がする。そして、新年度初めの怒濤の4週間を自転車操業であったものの、周りに助けられて何とか乗り切れた。そんな環境に感謝しつつ、GWはアクティブに過ごしつつリ

      • 井の中の蛙、大海を知らず

        目の前に現れた大概のことには興味を持つことができるし、何かしらの面白さを見出すことができる。先日のとある授業で出題した課題について、学生に1週間考えてきたことを説明してもらった。ある学生の説明の中で、提案のイメージとして「○○という楽曲」と、僕がこれまで聴いたことがない音楽を紹介してくれた。早速音楽のサブスクサービス(こういうときにメチャクチャ便利!)を使って曲を検索し試聴してみた。 昨今、様々なコンテンツがあふれるなか、これまでの履歴がレコメンドに使われて、新しいものに出

        • 案ずるより産むが易し

          noteには考えを発信する場としての可能性があります。しかし、書くことに躊躇してしまい、なかなか進められず、何度かチャレンジするものの、意気込み過ぎて長続きどころか年に1投稿みたいなペースになってました。そんな時に、研究室の卒研生が日記を通じて「何か」を必死に探ろうとしている姿に感化されて、自分も挑戦してみようと思いました。指導教員として適切なアドバイスをするためにも、自らも体験を積む必要があります。 学生たちにはことあるごとに「とりあえずやってみて!」といつも言っているに

        猿猴月を取る

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        • 徒然なることたち
          4本

        記事

          研究室選びに思うこと

          ウチの学科は学部3年生の後期から研究室に配属される。学生は希望する研究室をどこにするか考え、教員はどんな学生なのかを見極める時期である。いまちょうどその時期でありがたいことに毎日のように希望する学生が訪問してくれる。なので、一度考えていること話していることを言語化して記録しておこうとおもい書きました。 なお、ここで書くことはいつも研究室訪問してくれた学生たちに話していることで、あくまで僕の個人的な見解で、世の中の全ての研究室をもつ大学教員が思っていることではないことをご留意

          研究室選びに思うこと

          一緒に学ぶことの価値

          先日2本目のポッドキャストをいま研究室に所属している院生と収録した。彼のポートフォリオに書かれていた一つのデザインマインドに僕自身が気に入って、研究室紹介でも使わせてもらっているフレーズを話題にして話してみた。noteでもそれ以降に考えたことを書き記しておこうと思う。 ともに学ぶことこの学生を中心に研究室内のコンピュータースキル向上を目的としたハンズオンの勉強会を企画して昨年度から実施してきて、今年のプログラムの議論を進めている。RhinocerosとGrasshopper

          一緒に学ぶことの価値

          砂場に磁石を投げ入れて砂鉄を拾い、その質量を見ていく

          ROM専だったnote。ユルッと始めていこうと思います。 簡単な自己紹介から、、、現在とある大学のデザイン系学科の教員をやっていて、主に「空間」に関わるデザイン領域を軸足にして周りに散らばる様々な領域にピボットしながら教育・研究に携わっています。現在の大学に着任して2022年で8年目、大学教員としては13年目となりました。 学生時代に取り組んでいたのは、学部では建築設計、大学院修士では幅広く建築・都市デザイン、大学院博士では都市空間解析と、自ら少しずつ領域を越境しながら過

          砂場に磁石を投げ入れて砂鉄を拾い、その質量を見ていく