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帰り水

窪地の底

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 秋吉台の最高峰は龍護峰の425メートルで、烏帽子岳395メートル、真名ヶ岳350メートル、県道秋吉台道路の長者ヶ森は標高300メートル、展望台は250メートルと大した凹凸がなさそうな台地ですが烏帽子岳と真名ヶ岳に挟まれた場所はドリーネが結合してウバーレになり標高178メートルにまで沈み込んでいます。
 ここが帰り水で南斜面の岩場から流れ出て北斜面の岩場に地中に吸い込まれるまで20メートルほどの短い川です。

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 最寄りの大正洞に流れ込む三角田川の標高は160メートルなので帰り水よりも低い場所にあり、実態としては鍾乳洞が露出して地下水が見えるまでへこんだ地形といえます。
 枯れることがない水流があるので山焼きでも燃えずに森を維持しています。

一時湖

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 別項に書いていますが帰り水の排水能力は限定的で大雨では溢れて湖になり一時湖と呼ばれます。

石灰岩の厚み

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 帰り水では過去にボーリング調査が行われ地層の逆転が起きていることが発見されています。
 300メートルほどのの石灰岩層が乙の字に折り畳まれて1000メートルもの厚さになっているので海面下まで化石層が続いていることになります。
 河川面より下には鍾乳洞はできないでしょうが秋吉台の下には立体的な水の流れがあることが示唆されます。

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