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今月の1冊~2020.03

私だから書けること。


読む本は数あれ、ぐっとくる1冊にはそんなに簡単に出会えない。
そんな中でも毎月1冊もしあれば2冊、自分のなかでこれは・・と思ったものの感想を書いていこうと思います。
本の要約ではないと思うので気になる方は是非ご自身で読んでください!

今月は
ラインズ 線の文化史  ティム・インゴルド著

実はこの本、友人のおねだりしてもらって数年、なんか違うな~と家でずっと山積みされている本の中にいた子。単純な気まぐれですが、本は読むべき時を待っていてくれていると信じています笑
最近たまたまダーウィンの進化論を読み直していて、そして食の進化に関しての本を読んだらダーウィンが出てきて、そのあとに手に取った本がこちら。そしたらなんと、この本にもダーウィンの図が出てきて。ダーウィンの旅をした3月でした。

どんな本かというと、人類学と、建築と造形芸術と音楽とが入り混じったちょっと不思議な本です。Thread(糸)とTrace(軌跡)。刺繍や絵などつくっていくラインや人類の文字や譜面など表記するラインなどいろんな側面でラインについての考察をしていくもの。そして身体の感覚とラインの関係性や、ダーウィンの進化の系譜の話などから人間がたどったラインについてなどが描かれています。歩いたり、歌ったり、物語ったり。すべてはラインとしてつながっていて。ラインとは、つながりを描くうえでのひとつの大事なエレメントであることが様々な角度からわかります。

言葉と言葉のつながり、ラクガキみたいな絵や図、アンダーラインなどなどたくさんのラインを生み出す。目的地への移動はラインというよりも点から点へのワープみたいなのですが、散歩のようなあてもなく歩いているときには、自分の軌跡としてラインが記されていく。
生活しているだけで、人はたくさんのラインを描いている。
そんな偶然の連続がひとつの何かになって生がつながっていく。そんな世界の切り取り方を感じ取れた1冊でした。

瞬間と瞬間がつながってひとつのラインに。

そして文化に。

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