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Kaththi(邦題:刃物と水道管)英語字幕上映、初見感想(ネタバレ有)


はじめに

シネ・リーブル池袋さんの「池袋インド映画祭」、本日3月24日は「Kaththi」(邦題「刃物と水道管」を見てきました。

⑰『刃物と水道管』英語字幕★日本初公開

Story|コルカタの刑務所から脱獄したタミル人の囚人カディル。彼はチェンナイにひとまず逃げるが、そこで突然銃撃事件が起きる。カディルが撃たれた男のもとに駆け寄ると、その負傷者は彼と瓜二つの見た目だった。カディルは悪知恵を働かせ、そのジーヴァーという男を自分の身代わりにして追っ手に捕まえさせる。自由になったカディルだが、ジーヴァーが取り組んでいた問題を知ると、その心に変化が起きる。
監督:A・R・ムルガダース
出演: ヴィジャイ、サマンタ、ニール・ニティン・ムケーシュ
原題:Kaththi
2014年/タミル語/161分/ PG12相当
© Lyca Productions

シネ・リーブル池袋「池袋インド映画祭」作品紹介ページより
https://ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/movie/1085700.html

上のあらすじだと「カディル」になってますが、「Kaththi」をGoogle翻訳さんで音声読みすると「カーティ」って聞こえるんですよね。

初見感想の前に。今日はちょっと珍しいトラブルがありまして。
スペボさんのロゴが出た後、すぐに会話から本編が始まったんですよね。
珍しい導入部だな程度にしか思っていなかったんですが、5分ほどして映像停止。スタッフさんが客席にやってきて説明。どうやらインターミッションの後から始めちゃったそうで。これこそフィルム上映ならではのアクシデントかなって。滅多にないミスなので、そこは突っ込まないことにして、5分くらいで気付いたから良いけれど、これ30分以上そのままだったら次の上映に食い込んじゃうところだったかもね。
お台場の映画館で、シテハン映画の時に、火災報知機の誤報で止まった時とかより、全然気にならないけれど。


初見感想(ネタバレあり)

一応作品紹介ページにのっとって、主人公カディルで記載していきます。
囚人カディルは、刑務所から逃走した囚人ヴィヴェックの逮捕のため警察に協力をするが、そのどさくさに姿を消す。
友人のラヴィの元へ転がり込み、バンコクへ逃走するため空港へ向かうが、途中であったアンキタに一目惚れし、逃走を中止。
その夜、橋の上でカディルとラヴィが二人でいると、下の道路でトラックが暴漢たちにおそわれ、運転手が銃で撃たれているのを目撃。二人が駆け寄ると、運転席にはカディルとうり二つの男が倒れていた。
二人は彼を病院へ運ぶが、カディルは撃たれた男と持ち物をこっそり交換する。やがて撃たれた彼・ジーヴァは、カディルと間違えられたまま警察病院へ。カディルは、友人ラヴィと共にジーヴァの関係者につれられ、老人ばかりのとある施設へ。逃走資金をだましとって逃げるつもりが、その施設にアンキタが出入りしていることを知り、ジーヴァのふりをして留まることに。
やがてカディルは、ジーヴァのことを知るようになる。
かつてジーヴァは、水に恵まれないとある村の近くに、地下水があることをつきとめ、村人たちの協力のもとそれを村にもってくる予定だったが、チラーグという企業のトップが、村人を買収し、その土地を先に独占してしまった。ジーヴァは警察に抗議し訴えたが、逆に拘束されてしまい、彼の無事と釈放を願う村人たちがメディアに訴える意味で、カメラの前で自殺をはかった。その村の老人たちが、その施設に集まっていたのだった。カディルはジーヴァとして、村人たちと共にチラグと戦う決意をし、彼だ裁判を起こした。

一方、本物のジーヴァはカディルの代わりに投獄されていたが、囚人の印が身体にないことを証拠に無実を訴えていた。
映画の冒頭で、カディルの協力で逃走を阻止されたヴィヴェックは、カディルに恨みをいだいており、ジーヴァをそそのかし、自分の仲間の手引きで彼を脱獄させ、カディルを探させる。

チラグは裁判で有利になるよう動き、それを翻すためにカディルたちに与えられた猶予は5日間。なんとかメディアや民衆に訴えかけて、水源を取り戻そうとするが誰も相手にはしてくれなかった。
そこでカディルと老人たちは、チラグが運営する水道のパイプラインの中に留まるという抗議活動を行い、翌朝、騒ぎをしった警察も見守る中、チェンナイへの水の供給は絶たれた。
町中の人間とメディアが、彼らの行動に注目し、その中でカディルはチラグが支配する水源が村人たちにも必要なことを演説した。

本物のジーヴァは逃走途中、メディアに報道されるカディルと村人達の抗議活動を目にして、警察へ自分がジーヴァだと名乗りに出頭する。
しかし裏でチラグと繋がっている警官が、ジーヴァの存在を彼に知らせ、ジーヴァをのせた警察車両が襲われる。
チラグは、本物のジーヴァを助けにこいとカディルに連絡をいれる。
一方、村人の一人が自分達と一緒にいる彼がジーヴァのふりをしたカディルと気付き、村人たちは彼を責めるが、友人であるラヴィのフォローもあり、カディルはジーヴァを助けるため単身のりこむ。ジーヴァをなんとか逃がし、チラグを殺害するが、カディルはチラグの手下達にぼろぼろにやられ、それでもなお、ジーヴァの逃げ道を確保するため、立ち向かっていった。
翌日、ジーヴァは裁判所に村人たちと共に出席するが、カディルがどうなったか不安でいた。するとラヴィと、怪我だらけのカディルがそこにいた。
裁判で村人たちが勝利し、ジーヴァは沢山の村人たちから囲まれるが、そこにはカディルの姿がない。ジーヴァの元に、ラヴィが「カディルからだ」と電話をわたし、ジーヴァじゃカディルに感謝を示す。アンキタとも電話で言葉をかわして、彼はその場を去っていく。
やがてカディルは警察に自ら連絡をいれ、囚人に戻る。

なんで邦題が「刃物と水道管」なのか謎でしたが、これチラグの部下たちが、カディルと村人たちがいる施設を夜に襲ってきた時に、相手は刃物をふりかざしてやってきて、カディルは村人たちを部屋に閉じ込めて安全を確保しながら、鉄パイプで殴って撃退するんですよね。その鉄パイプが、多分、その施設の水道管(道路下に埋まっているような大きなやつじゃなくて)なんでしょうね。しかもこちらは一人に対し、チラグの手下は50人くらいいて、圧倒的不利なんですが、ラヴィに合図を送りながら、ブレーカーを上げ下げしてもらって、施設の電気をつけたり消したりして相手を翻弄しながらやっつけてくという作戦。
それは伏線でもあった。
チラグに捕まったジーヴァを助けに、彼の建物に乗り込んでいった時、チラグは倒したものの、手下たちがまだ沢山いて、その時点で怪我まで負っていた彼。ジーヴァは同じ顔しているのに、全然戦えない青年ってキャラだったので、ただ逃がすだけが精一杯。ジーヴァも、カディルを一人残すことに躊躇うものの、村人たちと一緒に裁判所にいく必要があるため、ここで死ぬわけにはいかない。
で、一人残されたジーヴァ。大勢の敵。どうやって戦ったのかと思ったら、敵の背後から、ラヴィが声掛けてきて。彼がまたブレーカーあげさげしながら、敵を翻弄して、なんとかカディルは勝利する。
カディルのお友達ラヴィ、当初は脱獄してきた彼に振り回されるだけの可哀想な脇キャラだったのに、カディルと共に村人たち(老人たち)と過ごすうちに、肝が据わったのか、一緒に抗議活動に参加したり、チラグの手下から彼を救うため、実はついてきていたり。頼りになる友人になっていました。
ジーヴァのふりをして辿り着いた施設。なんで男性の老人しかいないのかと思えば、村から出てきた人たちで、女性・子供、そして働き手の若い男性は村に残してきたからだったんですね。

最後、ヒロインにさよならして刑務所に戻っちゃうの?そのままバックレちゃってもよくない?と思ったけれど、ジーヴァのことを知る内に罪を償う気持ちが出たのか、自分から戻るカディル。
英語字幕だったんで、最後の科白よくわからなかったんだけど、ウィキペディアみたら、釈放されたら結婚しようって言っていたみたい。
あと当初、老人たちがなんで一つところに集まっているか判らなくて、ジーヴァは沢山の使用人がいるお金持ちなのかと思ってしまった。それにしてはこの施設、全然女性の姿がないなぁって不思議に思って、中盤まで見てましたね。

調べてみたら……

チルグ役のNeil Nitin Mukeshさん、サーホーに出ていた方だったか。(サーホー1回しか見ていないので、役者さんまでは覚えきれず、でも見覚えあるよなぁという感じで)

脱獄を失敗したヴィヴェック。タミル語じゃない感じで話していたんだけど、そこに雑に吹替かぶせて、元の音声残っていたのが気になった。
あとヴィヴェックを捕まえるために、警察が囚人であるカルディを頼ったのは、元々カルディは頭が良いということで警察からも一目置かれていたんだろうか。何の罪でつかまっていたのか判らないけれど、広げた地図から、その周辺の建物を立体的に想像する能力にたけていて、しかも地図には見えない建物の地下(水道管?下水道?)にまで想像力を働かせるってのが主人公の特技のよう。なんかルパン三世みたいなあれだったから、もしかして泥棒だったのかな。

https://www.youtube.com/watch?v=DbooDjJh-wo

ヴィジャイさんが演じるキャラの中で、戦えない青年というキャラ(ジーヴァ)というのは自分は初めてだったので、ちょっと新鮮でしたね。
ボロボロにされたカールディを少しは助けるのかと思ったら、ジーヴァ全然手を出さなかった(笑)。よわよわキャラ。
この頃のヴィジャイさんは、イライヤタラパティ……若大将。

あと監督のAR Murugadossさん、お名前に覚えがあるんだけどどの作品だっけって帰宅するまで思い出せなくて、いまググったら、サルカールの監督さんでした。
あと今回の映画、音楽アニルドさんでした。
英語字幕ところどころないシーンもあって(とはいえ、字幕を目で追う余裕もなく)、判らないまま通り過ぎたところもあるけれど、最後まで見れば映像だけで理解できましたね。会話の部分はさておき。