≡ はじめに
前回は、「統計の実務」の最終回でした。
今回は休憩回ですので技術的ではない話を書きます。
私のここ一年の体験です。ご参考になるかは分からないけど。
≡ スペック
私をご存じない方のために簡単なスペックを書きます。1962年生まれで現在59歳の男性です。1985年に某大学の物理科を普通の成績で卒業し、とあるメーカーに就職し、SEのサポートという仕事に就きました。その後、開発を少しした後、1996年にソフトウェアの検証部門ができたときに異動して、最初は自動化ツール(初回のJaSSTでメンバーが発表した)、続いてテスト設計に活動の主軸を移し、原因結果グラフのツールを作ったり、HAYST法(第2回のJaSSTでメンバーが発表した)というのを作って、あと、本を何冊か書いたりしました。
その後、2013年9月に後楽園ホテルの某イベントでスピーチした後に、会場の氷水をグイっと飲んだらブチっと音がして、でもなんでもなかったので、他の人の講演を聴いていたら世界がグルんグルん回りだし(経験したことのない目眩と吐き気)、講演が終わっても一ミリも動けず、突っ伏していたら救急車で隣の駅の東京逓信病院に運ばれて、ICUに。
詳しい話は端折ると小脳出血で4カ月くらい入院しました。小脳なので運動とかバランスとかそっちがやられました。
そうそう、脳外科関係のお話は『アンメット』というマンガがおすすめです。
≡ 転機は突然に
自分が定年を待たずして退職するなんて思ってもいませんでした。先の小脳出血から退院後はコンサルティングの仕事を続けていましたし。
定年まではいるし、再雇用制度も使うかなあ、、、と漠然と思っていました。
好きなことを自由にさせてもらえた会社ですし、家のローンも払い終えた身としては、お給料も十分でした。
ただ、2021年に社名が変わるタイミングで営業専門の子会社に部門ごと移ることになり、テストコンサルの仕事は無くなると聞いて、「うーん」とは思っていました。
、、、で、会社都合で退職することが決まったのは、2021年の2月下旬のことでした。
娘は高校3年生(今は大学1年生)でしたので「就活せねば」ということなりました。
≡ 就活
QA人材を求めている会社は多いんじゃないかなと思いますが高年齢のニーズは少ないように思います(業界によらず)。
くにおさん(テスト業界の転職マスター)に相談して、ビズリーチに登録して(プレミアムまでは不要)、オンラインでカジュアル面談して、職務経歴書と履歴書を送って、お試し入社をする。
TwitterとFacebookに『就活中なので紹介してね』と書き込むなどしました。毎日3社は面談するという人もいたけど、私は一日一社にアプローチをしたらクタクタでした。
(再就職先の社名は秘密ではありません。Facebookにも書いています。ただ、中途採用をしないポリシーの会社ですし、学生の入社判断に影響させたくないのでここには書きません)
なんかねー。面談のときに必ず聞かれるのが「昨年の年収」でした。そして、「テスターにそれだけ出せない」と言われました。同額欲しいなんて言っていないのに。
あと、「いくら欲しい?」とストレートに聞かれることも多かったです。お金は大事ですけどね。
≡ そして一年
就活の結果、「CMMIレベル4」を取る活動を支援するSEPG(Software Engineering Process Group)の仕事を頼みたいという会社に就職しました。「アジャイル開発でCMMIを取った」という珍しい会社ですが、全然そのことをアピールしていない不思議な会社です。
毎朝、8:30に出社して、17:30に退社する規則正しい生活です。9時始まりなので、もう少し遅くても良いのですが、もう少し遅い電車が10両編成から8両編成に変わってしまい、座れなくなってしまったのです。(小田急線)
この1年で、やったことは、CMMIの教本を暗記するほどに読み込んだことと、現場で困っていることの支援です。
おかげさまで、2022年2月に無事にCMMIのレベル4を取得して、今は、レベル5に向けた活動を行っています。
≡ 楽しいの?
楽しく働いています。RCCからアドバイスいただいた「転職に際して一番大切にしたいこと」は叶えられているように思います。
せっかく神田に勤務しているので神田古書街と「とやま館」に行かねばと、ずっと思っているのですが、会社は日本橋の方面で古書街とは逆(そもそも神田古書街って御茶ノ水や神保町の方が近くない?)ですし、とやま館も神田駅とは反対側なので行っていません。今年の課題です。
仕事ですが、まず、バグが出ていないので、自分の専門のテスト技術の出番がありません。どのプロジェクトもテスト期間中に見つかるバグは数件ですし、リリース後の本番障害なんて、全プロジェクトで年間あるかないかです。
テスト以外にも開発の仕事はたくさんあります。
上は、CMMIのプラクティスエリアです。たくさんの活動がありますよねー。
それぞれのプラクティスの概要については、「CMMI 2.0モデル早わかり」を参照ください。テストは上のVVのところです。
ということで、これらの色々なことを実務に落としていかなければならず、楽しくやっています。リードアプレイザーの小林浩さん(リードアプレイザーについてはこちらで検索すると出てくる公開情報です)とも知り合いになれましたし、今は、S谷さんと協業して面白い仕事を2022年7月1日から始めることができていて、ワクワクもんです。(公に発表できないのがなー。)
≡ おわりに
テスターのといいますか、開発者のキャリアとして、このような仕事があるんだということを頭の片隅に置いておいても良いかもしれません。
給与ということであれば、リードアプレイザーの資格を取って、認定を審査する人になると食いっぱぐれがなさそう。(私は認定する側になりたいとは思わないのですが……)
次回はいよいよ新連載です。