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富岡町民

12月7日、福島県は双葉郡にある富岡町の町民になった。

2015年3月にRelight Projectの一環で初めてこの地を訪れてから6年が経ち、自分の意思でこの地の住民になることを決めたのはなんとも感慨深い。それから数年が経ち、インビジブルの仕事を通じて富岡町を訪れる中で、少しづつ知合いも増え場所を知る中で、この場所で見たい景色/作り出したい景色があるということを日に日に強く思うようになった。その実現を目指すのであれば、この地の住民として責任と自由を合わせながら進めていくべきだろうと考え、東京からの引越しを決めた。とはいっても仕事を考えると、東京と富岡の二拠点生活になるが、この場所が「訪れる場所」から「帰る場所」に変わったからには、この地の住民として、ちゃんと見たい風景を生み出せるように頑張っていきたい。

そんなここで取組むプロジェクトのことも追々書きたいと思うが、何より自分のnoteということで、まずは富岡町に住み始めた最初の印象を書き残しておきたい。幾度も通った場所とはいえ、本格的に生活を始めたこのタイミングで感じることを残しておかないと、今の場所に対する新鮮な感覚は徐々に忘れてしまうので。

さて生活を初めて数日たったが、はっきり言って
生活で困ることがほとんどない
富岡町にある「さくらモールとみおか」には、セブン&アイ・ホールディングスグループの「ヨークベニマル」に、東証一部のドラッグストア「ツルハドラッグ」、福島に本社を持つ「ダイユーエイト」が入っており日常生活の80%ほどがカバーできる盤石さ。さくらモールとみおか自体の閉店が19:00までと少々早いが、特段困ることはない。また、富岡町内にはローソンが2店舗ある。どちらも24時間営業ではないがこちらも特段困ることはない。10分ぐらい車を走らせれば隣町に24時間営業のファミリーマートもあり、いざとなればそこに行けばいいと思えば気が楽だ。

生活に不可欠な食のインフラ状況が分かったら、次に知りたいのはどこでトレーニングをするのかということだろう。富岡町には、富岡町総合スポーツセンターというサッカー場や野球場がある複合スポーツ施設があるが、残念ながらそこにはトレーニング施設がない。しかし、隣接する大熊町に10月にオープンした「交流施設・linkる大熊」内に運動スタジオがあるのでそこをオススメしたい。施設内にはスタートラックの最新トレッドミル10TRxが設置されていたり、楽天で82万円で販売されているInBodyが無料で使えるなど設備が大変充実している。更衣室にはシャワーがあるし隣には温浴施設もあるのでトレーニング後はそこを使ってもいい(自分は大体そうしている)。また、平日夜はそこそこ混むと聞くが前回行ったときは空いていたし、土日の夕方利用した時はガラガラで全くストレスなくマシンを存分に使えるのがありがたい。気になる利用料金は、大熊町の住民票を有する者及び町内で勤務する者以外は、9:00-17:00であれば150円/時間、17:00-21:00であれば300円/時間という大変リーズナブルな値段。これで食のインフラに続いて運動のインフラを獲得できたということになる。

食と運動のインフラさえ獲得できれば安心だ。ネットフリックスしかり、Spotifyなどはネット環境さえあればどこでも楽しめるわけで、東京にいる時となんら違いはない。展覧会やライブなど足を実際に足を運ばないと行けないことも東京滞在のうちにやってしまえば、ストレスにもならないだろう。コロナが落ち着いたとはいえ、それ以前のように人と遅くまで酒を飲み交わすこともそんなに欲していないわけで、こういうタイミングで東京以外に生活拠点を持てたことはよかったのかもしれない。

生活をスタートして数日、思っていた以上に不自由しないことに驚きつつ、徐々にこの場所での生活リズムをつくっていきたい。新宿で生まれ、江戸川で育ち、横浜、フチタン(オアハカ/メキシコ)、別府、そして東京に戻り今度は富岡町。

新しいことをスタートするときに感じる高揚感とちょっとの緊張はやっぱりたまらない。

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