【小説】三毛猫のミケとスズメバチ
家の中でくつろいでいる一匹の猫、ミケは今日も人間のような生活を送っていた。彼はお茶を淹れて、お気に入りのアームチェアに座り、本を読みながらリラックスしていた。しかし、その平穏なひとときは玄関の物音で突然破られた。
「ん?何だろにゃ?」とミケは思いながら玄関に向かう。
玄関を開けると、そこにはスズメバチが一匹、ぶんぶんと飛んでいた。
「あわわわわ!スズメバチにゃ!どうしよにゃ!」とミケはパニックになり、ドアを勢いよく閉めた。
「これは大変だにゃ……スズメバチが家の中に入ってきたら大変なことになるにゃ……どうしよにゃ……」
ミケはしばらく考え込んだ後、突然何かを思いついた。
「そうだにゃ!この家を燃やせばスズメバチもいなくなるはずだにゃ!」
そう言って、ミケは家の中のあちこちに灯油をまき始めた。キッチン、リビング、寝室、どこもかしこも灯油でいっぱいにした。
「よし、これでいいにゃ」とミケは満足げにうなずき、ライターを手に取った。
「さようなら、我が家……」
ライターの火を灯油に近づけると、瞬く間に家は炎に包まれた。ミケは慌てて外に飛び出し、離れたところから家が燃え上がる様子を見つめていた。
「あぁ……(落ち込む)」とミケは呟いた。「これでスズメバチもいなくなったけど、家もなくなっちゃったにゃ……」
しばらくして、近所の猫たちが集まってきた。
「ミケ、どうしたんだにゃ?家が燃えちゃったじゃないかにゃ!」
「えっと、スズメバチが怖かったからにゃ……」
「それで家を燃やすなんて、ちょっと大げさすぎないかにゃ?」
「うん、今思えばそうかもにゃ……」
ミケは落ち込みながらも、どこか笑っているようだった。そんな彼の姿に、近所の猫たちもつい笑ってしまった。
「まあ、また新しい家を建てればいいにゃ。今度はスズメバチに負けないようにしようにゃ」
「うん、そうするよにゃ」とミケは笑顔で答えた。
こうして、ミケの家は一度なくなったものの、彼のユーモアと友達の助けで、再び新しい生活が始まるのだった。