見出し画像

「ひとつぶ」(詩)

どんなに視界が靄がかっても
あなたのかたちはぴたりと
ひらくように
発つように
立っていた

白くぼやけた手さぐりの中
あなたはたおやかに手を振った
心に咲かせよるように
立ち場を入れ替えて入れ替えるように
身を与えていた

私の中を白く焼く
影をかぶって
中から白を食らう
あなたはひとつぶのまま
立っていた

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集