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「知ること」(詩)

知らなかったの
あなた 弱っちくて
あなた やわらかくて
あなた すぐ赤くなる

知っていたら
あなたの手を引かなかった
あなたの背を押さなかった
ああたが夕暮に透明になって

私を失うなんて思いもしなかった
私が失ったと思ったなんて思いもしなかった

人魚みたいにしなやかで
鰭の描く波のしなやかな
クジラの皮膚くらいうつくしい色を守ると思っていたの

わたし知らなかったの
知らないことが知ることだと

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