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「ふれる」(詩)

見つめられるものの手を
はなしていいだなんて
なんてこと

目に見えないものにばかり
名前を与えてはいませんか
あなたにはひとつのことを

私の腕は風にあおられます
遠い日々が私の胸を赤くします
あしたが言葉を求めず
この肩を抱きしめるので
私は沈黙を与え 目を呑み込みます

見つめられる
手で触れる
そのものの遠いなにかを
私は今に居たとして 愛します
名はありませんが
それらはやさしく触れる術を繰り返し
教えてくれるのです

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