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「次の嵐は」「落ちた」(詩)




【次の嵐は】


嵐のあとの 静けさが 恐い
次は何が 起こるのか
じわじわと 足の裏から不安に侵されていく

それは 穏やかだから 入りやすく
入り込まれたら 根を差し込むのだって
心は たやすい

悪いことの終りを 予感して
もうさすがに悪いことはやってこないよと
心が休まりたいと 座りこむとき

また嵐はやって来るから


【落ちた】

私は落ちた
かぼそい 穴を
ひとり ひっそりと
声も上げられずに
どこまでも どこまでも
暗いのではない
光もない穴の
続く、という概念もうすまるほど下へ
下へ
下へ



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