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「ゆうらり」(詩)

記憶の見えないまま
永く漂う
その手を引きましょうか
私の手の力はつよすぎるでしょうか

もう少しですと言ってあげられたなら
心安らかなものでしょうか
まだ果てしなくよりは少々という方が
案外ほっとしてしまうのではないでしょうか

まだ目は閉じて
手も閉じて
何も持ってはいけません
その手は開かせぬまま私が引いていきます

あしたにいないことに
今日に志をおとせないことに
慣れて大分経ちましたね
本来物事というものは流れの中に漂うものなのです

誰の眼もあなたの眼を見ず
その声に反応はせず
在れなくても有ったことは確かなのです
だけれどそうした糸を切ったあとに
乗れる流れもあるのですよ

さあ感触もない私の手に引かれてください

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