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『最低で最高の本屋』の感想。


『最低で最高の本屋 (集英社文庫)』の感想

文庫フェアで出会った本。


人と同じにしなくてはいけない、ということに耐えられず高校を中退したあと、
日雇い労働をしながら生活する。
その時出会った人たちの影響で本を読むようになり、その中の一冊に強く感銘をうける。
この本の舞台に行きたい!
気持ちを抑えきれず、つてがあるわけでもないのにアメリカへ。
さまざまな人、文化と結びつくうち、
彼の中でひとつ生き方が作り上げられていく。

路上で本を売ったところからはじまり、
今もカウブックスを続けている
『暮しの手帖』編集長としても知られている松浦さんの動き始めた頃のことに重点をおいたエッセイ集。


この本を読んでいて、最初にひっかかったのが、文末でした。
丁寧なですます調のなかに、突然放り出される著者の本音のようなぶっきらぼうな一文があって、いちいちそこで、え?と止まってしまっていました。
それがいつのまにか、その文章が声を持ってきて、明る過ぎない喫茶店で向かい合って語って聞かせてもらってるような気持ちになっていきました。
著者自身が体感したことしか書かれてないんだろうな、という信頼が最後には残るエッセイでした。
文章に誠実さと、もっと良くできる!という強い向上心と、でもそんなことよりもこの素敵なものを残していきたいんだという使命感、その中に茶目っ気が入っていて、こんな人と仕事がしたいとそりゃみんな思うよね、となりました。
人柄がきれいに文章に染み込んでいる、とっても面白い本でした。


#ブクログ


ブクログを十年以上使ってるのに、
こんな機能があったことに今気づきました笑
インスタには書いたのですが、
この表紙を私はレタス多めのサンドイッチだと思ってました。
こんなサラダサンドイッチ食べたいなぁ、
と思って読んでました。
読み終わってブックカバーをとって、
よく見たら(よく見なくも?)素敵な本のイラストでした笑
自分の目の感性によく驚きます。

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