「いつも悲しい」(詩)
いつも悲しい
いつも悲しい
わたしの割れた部分は鋭いまま
誰かの血で固まっている
触ることができない
生々しさはもうない
それでもうすらいでいく影さえ
私はあなたの死に圧される
いつも悲しい
いつも悲しい
そんなことを誰にも言うものじゃない
「あなたってほんとに恥知らずの恩知らず」
足らなかったもので家は建てられた
欠けたものを喉は通せない
ありえたはずの未来は今確かに
ありえない今に成っていることに
気付くことが悲しい
毎々恐ろしいほど悲しい
いつも悲しい
いつも水際でただひとりだ
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