11・27(川柳)

【夜更け過ぎ目を塞ぐ闇星探す】

【ひとつずつ手に置かれてく言祝ぎは】

【さよならと握る袖口血は滲まず】

【呑まないが呑んだように赤熟れて】

【そのひとは愛を知らない神様だ】

【袖捲る季節が君を縫い留める】

【ここに居て 私の声が地獄にひびく】

【自由への線だったのはこの髪だ】

【飛び込み禁止 自由へは滑りこめ】

【姫でも鬼女でも抱くよパフスリーブ】

【引っ張った袖の釦のあまいまる】

【貝殻のような袖に海侍り】

【袖の下 彼の心臓ならもらお】

【わたし故 あなたが為に 神となる】

【袖振り合った春灯り遠く揺れ】

【兄姉と袖を分かつた誕生日】


今日、朝のうちに川柳の先生に課題を送りました。
今回の題は「袖」。
前に先生が「熟語などにも注目して」と言っていたのと、
今回は「袖」と言わないと難しいな、と思ったので、
調て使ってみることに。

最後の句は、
教室で説明するには生臭い話なので、送りませんでした笑

【姫でも鬼女でも抱くパフスリーブ】
は、なんとなく前回教室で発表した
【駆ける私はヴァンパイア 背に日は昇る】
のような軽さというのか、
ちょっと彩のようなものがあって好きだなと思っています。

【短いお話】にいれてある、
この前の文芸会で発表した『いつか君が恋をして』も、
なんだか光が瞬くようなイメージのお話で、
久しぶりにこういう空気のものが書けて嬉しかったです。

七割重かったり、暗かったりするものを書いているので、
こういう空気感が自分のなかで貴重に思ってしまいます。
川柳でだけでも、もう少しこういうものが書けるようにしたいと思います。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,955件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?