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「一夜」(詩)

名前を呼んでくれた
手を撫でてくれた
あたりまえに髪を洗い
古いタオルは水を良く吸った
もう会わないというくせに
ありったけのそこに愛を置いていく

本当は骨までしゃぶってやりたいんだ
細い腕ならすぐに終わりが来てしまいそう
だけど
指の一本を口に含んでいるうちに
すんと鼻は鳴るのだと思う

だからまた
撫でてくれた手を見送る
その手を受け入れる姿勢はとれず
我が物顔だけをたっぷりと
あなたの愛に受け渡す

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