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いつか朗読になるかもしれない類の

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自作の詩を読み上げたものを、ぽつぽつと。
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#朗読にいたるまで

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『あいくるあした』

あしたがあるから
あいあしたいのじゃない
逆に
いましかないから
かなしいのでもない

あなたが
未来永劫をもっていても
わらっていられるとは
おもえない

あなたが
蝶の羽ばたきひとつで
満たされるとは
かんがえない

すべてのわたしの
すべてのみらいに
あなたはいるけれど
もうけして
あたらしいにはならない

わたしは
いつまでもうちのめされる
わたしは
それでもいつのひ

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『青い骨』

青い骨を磨く
白く 白く
鈍色の差す

白い骨は香るだろう
青い 白い
粉が舞う中

私の骨を
つよく抱きしめる
眠る夜のように

いつの日の
私の骨か
最愛に折れる

『わたしの肌を織る』

花には成れなかった
黄金の鱗の魚にも
透けた羽を震わせる虫にも
私は成らなかった

あなたは
嘘の正直なひと
真っ直ぐに笑い
平らかに口を開いていた

蓮の葉には乗れなかったし
虹の欠片は落ちてはこなかった
猫の瞳の中には街灯は灯ることはなかった
だけど あなたの言葉はほんものだった

私に触れた魔法は生きている
この耳を撫ぜた風の声を捕えることも
遥かに遠い宇宙の足音さえ

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