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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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#手

「勇ましいに平伏したくない」(詩)

俯いていたのは少女だったから たくさんの車の影 引いていかれる手 ふりほどきたくて 仕方がな…

とし総子
2か月前
7

「手」(詩)

すきで すきで すきで その手が全てに成っていた 澄んで 澄んで 澄んで 瞳は透明を通り過ぎて…

とし総子
4か月前
7

「空の手」(詩)

そうっとさそいだされ 差し出した両の手は 白いから色を吸い上げる 青が溶けた 雲が混ざった …

とし総子
6か月前
7

「手に心臓」(詩)

わたしが ひとりで死ぬときは どうか 弱まる心臓に手を置いて 思い出の中から 動かなくなる…

とし総子
8か月前
5

「手をはなして」(詩)

もう大丈夫だから 明日へおいき この手を離したら 風の行く方に 隣り合っていくといい それは …

とし総子
10か月前
7

「つくりごとのあいの手」(詩)

物語りが成ってくれた  白い手 もう これで すべては私の手の平 私は 協力者で 調停者 そ…

とし総子
11か月前
8

「白い手」(詩)

この手は白い手 どこより生まれて ここに生えたの わたしの手 うまく運べ そつなく折れて かしこく開け しずくに揺れて儚いと とろとろの白をまぶして ひかりは酸っぱくなっていく ひるがえり かわいがり さよならの振り付けを覚えさせる この手は 白い絵 細切れの木漏れ日を 前後左右に音もなく 千切ったのは間違いなく  この

「雨の手」(詩)

消えてしまった手を 落ちてくる雨粒で繋いだ トンボの羽よりうすい影に 見ていた 生まれてい…

とし総子
1年前
7

「はじまり はじまり」(詩)

はじまるよ はじまるね はじめるよ はじまったの うれしいあめ玉ひとつ分 さみしい大空胸…

とし総子
1年前
7

「結び合った手は溶けて」(詩)

時は行くから こちらは手を引かれて 時折 前のめる 転ばないようにと 振り向いてはくれるけ…

とし総子
1年前
7

「手と首」(詩)

光と影が入れかわる 後悔が 手の形にかたまる 私の首の長さに合わせて まるで いつかへ 祈…

とし総子
1年前
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