マガジンのカバー画像

詩、誌、氏

780
詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
運営しているクリエイター

#スキしてみて

「芸術家」(詩)

芸術家は芸術家になる 言葉は名の無いものに宿り 音楽は救われる手に転がり込む あなたがどう…

とし総子
8時間前
7

「塩の天使」(詩)

ひとしきりの拍手の肩が残るあなた やさしく撫でてやすくとも あなたに無機質にうつるの天の…

とし総子
8時間前
4

「まぎれないで」(詩)

あいしていると 言い合うような 歌だった 流れてかえっては来ない愛は 風にほつれ いつか雪に…

とし総子
1日前
4

「見つめる二階」(詩)

あなたは無理をしすぎるのだから 階段の下 わたしたち見つめているの 素顔を嫌がるくせに 正…

とし総子
1日前
5

「星屑」(詩)

あなたを残さず あじわったあたしの足裏は 平らでくすぐったがり つぶらだった瞳も 干しあがっ…

とし総子
3日前
4

「握りしめる」(詩)

永遠が通り過ぎて 穴の空いた私の素足で あなたは素直に寝転ぶの しずかにしていて おしこまな…

とし総子
3日前
6

「ドクグモ」(詩)

知らないままお腹を減らした 雨に打たれるまま友達になって 砂にまかれて扉は隠れても 差すひかりの粒は抜け転び来る あいしたあなたの抜け殻が 好きで仕方ないのは 私の悪いところではないのよ 分かれないまま空腹は続いた 腫れに涼む木々の下手は絡まった 埋もれるほどに重く重くなっても 伸ばし合う手に一片の繕いもなかった あいのあったクモの足先を唇にはさみ 請う毒は青か赤か 月夜の躊躇いが揺らしてくるの

「風」(詩)

風が来るよ そよ風では足りないと もがく 私の 天使を振り払うほどの 彼方よりの風が吹くよ …

とし総子
4日前
9

「頬は細く」(詩)

新しい字が顔を出し 小さな目が唄に開く 長く保たれた果ての耳に つつがない安堵の口は上唇だ…

とし総子
5日前
6

「波」(詩)

波が打たれたあと 残ることばは黒かろか 生々しい血滑りは そそがれていったとしても 中が懐か…

とし総子
5日前
7

「うたかたる」(詩)

子守歌が吹き溜まる淵 いくつもの母の舌が打つ 女たちの声を潜ませて 響いていく やさしい 腹…

とし総子
6日前
9

「うつくしい決意」(詩)

あなたには うつくしいものを見てほしい うつくしいものというのは 醜さも 汚さも うつりこみ…

とし総子
6日前
6

「手をあげれば」(詩)

手短な挨拶を 繰り返して その瞳をあれやこれやを 受け止めていくことになるなんて ほとんど…

とし総子
8日前
9

「死のそのときに」(詩)

死ぬときには 慌てたり騒いだりせず 静かにしてね そして端から端まで 観察して 死ということを魂の尾の端っこに書きつけて 死ぬまで書くは ペンをとらずとも 叶うでしょう?