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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2024年4月の記事一覧

「食事」(詩)

次男は トウモロコシは好きなのに カレーの中のコーンは毛嫌いし コーンスープを好物という …

とし総子
1か月前
11

「えん」(詩)

あなたは円になるために 膝が痛くなり 体は硬くなり 喉はゆるやかに そして一つの点へと転がり…

とし総子
1か月前
5

「本性で本能に成り変わる」(詩)

あなたが 死を 悲しいものにはしないでと言った 私は丸かった目を細めて 生きている あなた…

とし総子
1か月前
6

「さよならのはじめて」(詩)

さよならの意味を知らない頃なんて 私 あったかしら さよならの意味の重たさも広さも唐突さも…

とし総子
1か月前
5

「大きな音」(詩)

大きな音がする それは 体の中からのもので 一音 一音が 宇宙のはじまりのように ひろがって…

とし総子
2か月前
10

「わたしは歩く」(詩)

わたしは歩いている 真っ白だ 純白だ いたたまれない 足裏の傷 わたしは歩いていく 真の闇へ …

とし総子
2か月前
11

「その運命の背を撫でるとき」(詩)

運命なんて シッポを踏んずけちゃって にがしちゃっていい そして 自分と相対し 運命の芯から香る上香となったとき 決意を固く持って 私から このすべてを運命に差しだしましょう

「きれいなみどり」(詩)

わたしのからだはばらばらで ゆっくりはがれておちてくみたい せいりうんどうですませられない…

とし総子
2か月前
8

「勇ましいに平伏したくない」(詩)

俯いていたのは少女だったから たくさんの車の影 引いていかれる手 ふりほどきたくて 仕方がな…

とし総子
2か月前
7

「袖口」(詩)

すれ違う時 袖をつまむと あなたは他人の顔をする それでもくり返す私の指に いつしかあなた…

とし総子
2か月前
8

「言葉が降りてくる」(詩)

言葉が降りてくる 遠慮などせずに だから私の首の骨はいつも疲れて傷んでいる あなたが唐突に…

とし総子
2か月前
13

桜や春の印象を象った詩

春がもう終わろうとしているような気がして、 最近詩をよく書いているので、 ここへの一日一編…

とし総子
2か月前
12

「知らないの」(詩)

いや 知らないのよ 誰の鐘の音かなんて ここにどんな人生が終わったかなんて 曇っている今日…

とし総子
2か月前
9

詩と祈りと

「からだとなみだ」 おなじ布団の中に居て わたしができるかぎり なんのこともないように 日常を彩っているものであるかのように あなたの躰を触るのを あなたは有らん限りの心で耐え 晒していてくれた 痩せさらばえた胸の内 なんてやさしくうつ音よ 私はいつのまにか泣いており あなたが私のその泪を撫で あたたかい あたたかいねぇ と 笑ったのでした これは、 この詩は、 本当だったら中編くらいの長さになる連作小説のなかで起こる場面を 詩のように書き起こしたものです。 この詩を、