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わたしは するすると流れて あなたの手の平や指と指のあいだを滑り落ちていく 透明であって…
すべてに近いものたちに 本当? と、鈴をつけていかなくていいんだよ 好きなかおりのハンドク…
私は 貴方の とりとめのなさを愛した 一定でいられないところや いくつでも色を生み出してし…
限りのあるものを愛するのと同じように 限りのないものを愛する 私たちは 短く 小さな愛を…
わたしは 尋ねたい あなたに愛を覚えさせた出来事を ひとつ ひとつ 形のちがう硝子を並べる…
あの二人は 恋をしていた 映画の中で それは楽しそうに うららかに頬は染まり 水を弾く光り …
わたしは 暗闇にいたから 光にはなれなかった あなたを呼べば あなたは応えたでしょう 光のように 現れて 内側を光らせる 実をくれた だから けして 声にしなかった 星を眺めて いただけだった
ただ 泣きたい 感情は揺さぶられたくない この目から 緑の瞳が失われたこと を 謝りたくて …
静かに 息を吸えば 両手の先が伸びていき 深く息を吐くことで 先と 後ろに広がっていく わ…
灯し火は 必要ですか いいえ 地平は赤く 金を帯びて 震えます ほとばしる 走る 勢いのま…
わたしは私をしばるものが嫌い わたしをとどめるものも わたしの選択を あたかも与えてやると…
時は行くから こちらは手を引かれて 時折 前のめる 転ばないようにと 振り向いてはくれるけ…
必ず、と貴方は言った 雨は降る、とか 月は満ちる、とか 妖しく、うつくしく、流れていく何も…
物語りが そばに在れば どんな現場でも 受け入れられる そうでしょう? この魂が器であってくれたら それで全ては十全だと 信じることに意味があった 貴方の切れ端だけを便りだと言い張るように 心に何が吹き荒れても 私という大地が残るなら 物語が足を着ける 私が残っているのなら それは全て 十全の結末だ 私は そう物語ることにした