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『MONSTER』5日目ブックカーバーチャレンジ

『MONSTER』
 Walter Dean Myers

1999年に書かれた本。

"Steve Harman's Black. He's in Jail, maybe forever. He's on trail for MURDER and he's sixteen years old."
(スティーブ・ハーモンは黒人で、刑務所にいる。多分、永遠に。彼は殺人容疑で裁判中で、そして彼は16歳)

高校生のスティーブは、ある日の夜、友人ふたりと共謀して近所のデリの店主を殺害した殺人罪に問われしまう。もちろん彼はやっていない。

刑務所の中で彼は日記をつけはじめる。
と同時に、裁判の様子も映画の脚本のように書かれている……。

作品タイトルの『モンスター』は、スティーブが検査官からつけられた呼び名。彼が本当にモンスターなのか、そうじゃないのか……。

❖ ❖ ❖

この本の舞台はハーレム。

読んだのは、多分ハーレムに引っ越しして間もない頃だろうから、多分2002年とか、そんな時だと思う。
その頃は、ハーレムにある某所の保育園でボランティアをしたり、とにかくハーレムに住む人達と、ハーレム・コミュニティー(ブラック・コミュニティー)のことをもっと知りたくて勉強の意味も含めて黒人が書いた本を読み始めていた時期だと思う。

『モンスター』は、そんな時に読んだうちの一冊。

正直言って話しの内容は覚えていない、記憶にないんだけれど、捨てないで取ってあるということは、黒人の血を引く息子にいつの日か読ませようと思っていたからだと思う。

ただ黒人というだけで、なぜこんなにも理不尽なことが起きるのか。
なぜ、そういったことを受けなければいけないのか。

その辺りの葛藤が書かれていたと思う。

作者のマイヤーズ氏は、主にティーンエイジャー世代中心に小説や詩を書かれている方。弟さんはイラストを描かれていて、二人で素敵な絵本を出版していたはず。
この本を読んだあと、図書館で数冊借りた覚えがある。

マイヤーズ氏の本が数冊翻訳されているようですが、残念ながらモンスターは翻訳されていない。

今、ちょっと読んでみると「ふふふふふふ〜ん」と読めるけれど、当時は悪銭苦闘した覚えがあるし、黒人独特の言い回しとかもあるので、ちょっと一筋縄ではいかないかもしれないけれど、興味のある方はぜひ。


2006年生まれのアメリカ人とのハーフの男の子のいるシングルマザーです。日々限界突破でNY生活中。息子の反抗期が終わって新しいことを息子と考えています。