ニューヨークで、ティーンを育てるということについて考えてみる
先日、10歳になった娘さんがいるママ友がInstagramのストーリーにアップしていた内容が衝撃的だったので、それについて、考えてみることにした。
👆こちらのサイトに詳しいことが載っているのですが。
タイトルとしては「彼女はどのようにして死んだのか」ですかね。
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Who did she die?
の内容は英語だから読むのは面倒くさいでしょうから、翻訳サイトで訳して読んでいただければ良いのですが、それすら面倒くさいよーという方に力技で簡単に言うと
14歳になったばかりの女の子がドラッグで死んでしまった。
でも彼女は優しくて(困った人を率先して助ける)成績も良く、動物も好きでポーツもできて、太陽のような存在だったのだ。絵に描いたような優しい、親にしてみたら理想な完璧な娘さん。
ということです。
昔の少女漫画に出てくる主人公な人みたいですね。
そして本文を読んでいると、親子の関係も悪くない感じだったのに、
なぜ死んでしまったのか。
親としては腑に落ちません!!!
という気持ちがひしひしと伝わってきます。
13歳を機に、娘さんが「変わった」と書いてある。
でもそれは、ね、思春期ってさ、ホルモンのバランス崩れるじゃないですか。特に女子は初潮もあって、自分で自分がコントロールできないし、無意味にムカつくし。
なので、親としてはそこは考慮しております的なことも書かれていらっしゃいます。
思春期関係に関する本とか歌って沢山でているよね。
あたしもアメリカ在住の日本人お母さん達と、アメリカ人が書いたティーンに対する対応の仕方が書かれている本を元に勉強会をしたくらい。
ああ!
今思い返したら、ドラッグとのつき合い方的なことが書いてあったような!
思春期。
本当に厄介。
でも、その「自分のわけのわからない感情と向き合ってもがきながら成長していく時期」って書いていて、今どきの子って大変なんじゃね? と思ってしまう。
あらがえないエネルギーや、不安とかと、どうやって付き合っていくんだろう。
というのも、数年前に知り合いの甥っ子くん(日本在住)が、思春期の時にちょいと難しいことがあって、ニューヨークに住んでいる友達のところに夏の間遊びにやって来まして、こんな質問をしたことがある
ねえねえ、盗んだバイクで走り出したくなっちゃわないの?
尾崎世代のあたしとしては、ちょっと気になって訊いてみたら、こんな返事をいただきました。
そんなことやったら警察につかまりますよ。
って、冷静に言われちゃったのだ。
昔だとエネルギーを発散する場があったと思うけれど、今どきはそんなにないような気がする。
特にニューヨークでは。夜1人で歩いているなんて危ないもんね。
夜の公園も何が起こるのかわからないし。
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話しを戻しましょう。
思春期だから、と思っていた親でしたが、14歳と1ヵ月で亡くなった彼女は高校生。でもどうやら彼女がドラッグに手を出したのは13歳の頃のようですな。中学から高校へ移行するにあたって、いろいろなことが起きたんでしょう、きっと。
日本と違ってこちらは高校生になるのが早いし、そのプレッシャーはハンパない。
息子を無理矢理連れて行った高校見学も「企業のプレゼンっすか?」というくらい、この高校に入ったら○○大学に入れる実績がある、ニューヨーク州で内の高校は上から何番目だ、とか、そんなことばかり。
正直高校見学に行っていて「うわー、きちー。13歳の頃って少女漫画家になることしか考えていなかったわ、大学とかちょー遠いし。将来について今決めろって無理ゲーじゃん!」って思ったので。
ニューヨークの公立学校に関しては以下に書いているので興味のある方は👇をお読みください。
読んでいる限り、彼女のお家は裕福な感じだし、彼女自身も自分の描く未来へ着々と進んでいる感じだった。
のに
のに!
彼女は死んでしまった。
それも、友達の友達が(ちょっと遠いですね)死んでしまった彼女が幼い時にベビーシッターをしていた、という、近いような遠いような距離。
いたたまれなくなって、同じティーンの17歳の息子に読んでもらった。
どう思うのかと思って。
「よくあることだよ」
と、さらりと言った。
「でもこの子、運が悪かったね」
とも付け加えて。
その瞬間、背中が ひゅっ と冷たくなっった。
息子が高校生になる前に、息子よりも年上のお子さまがいる幼なじみのママ友たちと集まると話す話題が大学の選び方、スポーツ、そしてドラッグのこと。
高校生になると、今までどこにいたのかわからないけれど、いきなり「ドラッグ」問題が出てくるのだ。
マリファナグミやマリファナクッキーを食べて中毒になって人生がおかしくなるという話し(噂?)が突如として子育てコンテンツのトップにおどり出す。
事実いろんな問題はあったりもする。
すべて聞いた話。
コンプラ的に難しいけれど、あえていうのであれば「白い」人たちでお金がある人たちのお話。
アメリカ全土の有名私立の学校で成績の良い学校のトップ10のうち5校がニューヨーク市にありまして(今もなのかしらん)、その学校の生徒達の多くがドラッグをやっている話しはよく聞いていたし、自殺が多いのも聞いていた。
違う言い方をしたら、ドラッグをやらなきゃ「自分自身が保てない」くらいハードな授業内容であり、プレッシャーだったんじゃないのかな。
と、思う。
最初の頃に「なんで死んでしまったの?」って思った、と書いたけれど、幾ら成績が優秀だからって思っていても、なんでハードドラッグやっていたの気づかなかったんねん!! と、正直思っている。
息子の周りでドラッグをやっている人がいるのかを訊いてみた。
「みんなやっているよ」
と、さも当たり前のように言う。
ちょっとまったー!
みんなって誰!?
と思いながら、息子と話しをしていったら、ある幼なじみはやっていないくて(名前を教えてくれた)。
もちろんやっている幼なじみもいて(こちらも教えてくれて。きっと親は知らないから知ったらどう思うんだろう)。
息子とドラッグに関してはおおっぴらに話しあっていまして、そういうことが話しあえる関係でいれる自分を勝手に誇りに思っています。
と同時に、そんなにドラッグが高校生の生活の中に入り込んでいることが衝撃的でした。
正直「わかっていた」とはいえ。
息子曰く、TikTokで「ニューヨークのここで買えるよ、ドラッグ」広告がでているとも教えてくれた。
ちなみに亡くなってしまったサラはモルヒネよりももっと「快感」を覚えたフェンタニルを知らないうちに接種してしまって亡くなってしまったのだろう。
例えばドリンクの中に1滴、たったの1滴を垂らされて。
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好奇心って良いことだと思うの。
「やりたい!」って思ったらやったらいいと思うんだ。経験って大切だし。
百聞は一見にしかず、だしね。
人間、経験してなんぼだから。
ドラッグ、やっていいと思っている。
でもね、リスクは知っていて欲しい。個人的に。
それを教えてくれる「誰か」がいたら、彼女は死ななかったんじゃないのかなって思ったりもする。
それを教えるのは、いったい誰なんだろう?
そういう人がサラの周りにはいなかったのかな?
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ドラッグ関連のお話として、こんなお話を聞いたことがある。
ハーレムに関するお話だ。
アメリカの多くの企業は毎週金曜日がお給料日なんです。
んで、お給料もらってはじけちゃった人たちがドラッグを大量に購入して過剰摂取してハーレム・ホスピタルに運ばれるという😅
なので毎週金曜日は救急車のサイレンが鳴り響く、なんてお話もありましてね(体感としては、そんなに鳴り響いていたかな。うちからはちょっと離れているところですからね。それよかパンデミックの時は毎日うるさかったですよ、はい)。
さらに付け加えると、ドラッグを過剰摂取すると瞳孔が開くらしく、慣れていらっしゃる先生は、その瞳孔の開き方を見て、その運ばれた患者が「何を接種したのかがわかる」らしい。
落語じゃないんだから!
余談ながら、この病院、いろんな逸話がありまして。
ウチから一番近い病院なんですが、一番行きたくない病院でもあります😅
とまあ、自分の記憶を巡らせると、ドラッグの話は多々聞いているから、どう子どもからドラッグを切り離すのか、はかなりな重要項目。
やっぱり日本で純粋培養ですくすく育っていると、ドラッグって身近じゃないし。
元バックパッカーとしては、海外で「うっひょードラッグできるぜっ!」とドラッグ接種している日本人にはたくさん会ってきたけれど。今思うと、ちょいはじけている?
でも日本ではちゃんとお仕事してお金貯めて旅行来ている「大人」な人たちでして。
今回のお話って、そんな可愛いものじゃなくて。
14歳でのお亡くなりですし。
あえて言うなら、アメリカの闇みたいなお話でして。
インターネットとSNSのおかげで、親がまったく関与できない次元に行ってしまったと言っても過言でない世界のお話になっていて。
まさに、未知との遭遇な世界が待っています。
ドラッグを「やる」子どもと「やらない」子どもの境界線って、なんだろう。
息子に聞いてみても「うーん、よくわからない」と。
この辺りは個人的に自分のまわりの、個人的に幼少時代から知っている子、さらにその親にお話を聞くことしかできないけれど、それが参考になるとはまったく思わない。
個人的には、息子がドラッグ(個人的にはマリファナ)をやることにすごく恐怖を感じていた。というのも、息子、結構気に入ったことに入り込む性格なんですよ。
一時期ゲーム中毒? というくらい。
リハビリさせなきゃだめ? と思ったくらい。
なので、ぜったいにドラッグ中毒になる!
と思っていたのですが、ドラッグには興味がないとのこと。
付け加えると、お酒もタバコにも興味がないらしいです。
そうか。
一緒にお酒飲んでみませんか?
と、思う母でした。
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お友達を介して知り合った日本人夫婦(アメリカ在住30年以上)が、ハードではないドラッグをやっている人たち。
すごく気持ちのいい人で、個人的には大好きな人たち。
今回のお話をしたら「20年くらい前と違ってドラッグの種類が増えていると思う!」とのこと。
この話を聞いたときも、背中がひゅっと寒くなりました。
正直言うと、親が子どもを管理できないことが増えていると思う。
20年前なんてこんなにもSNSが活発じゃなかったと思う。
オンラインゲームもまったく知らない人とチーム組んでやったりしているじゃないですか。活発に。
個人的にはドラッグに興味がない息子で感謝しかない。
行ってみれば「良い子に当たったね」的な感じ?
オンラインゲームも友達や幼なじみとしかチームを組んでいないし。
本当にラッキーだと思う。
でも、サラのご両親だって「娘が大当たり!」って思っていたと思うんですよね。成績優秀だし、表彰もされているし。こんなドラッグのトラブルに巻き込まれて亡くなるなんて、これっぽっちも(って、どのくらいの「これっぽっち」なのかちょっと知りたくなりました)思っていなかったと思う。
だからこその衝撃で、このことを書かれたんだと思う。
そして、あと出しじゃんけんとして、あえて言うのであれば、バックパッカーしていたときに会った人が、ソフトドラッグは良いけれど、ハード(いわゆるコカイン)はやめておいた方が良いよ、と言っていたこと。
その人はドラッグが大好きで。
でも日本国内でやるろ違法で使ってしまう。
なので、国外でいろんなのをやってきたらしいんですが、ハード系をやったときは「マジでやばかった!」とのこと。
その体験があったから、ハードは絶対にやらないと決めたと言っていました。
この問題はニューヨークだけのことだけではなくて、どうやらカナダや他州も似たり寄ったりのようです。
その上、アメリカは銃社会。
気を抜けません。
銃関係の事件はアメリカ全土の至る所で起きているし、息子の学校は、AirDropを介して銃事件を予告されたこともある(それも2回。さらに幼なじみが通っている高校でも同事件があった)。
警察が来て事情徴収をしていたけれど、匿名の、それもAirDrop。
犯人は未だに捕まっていないし、息子もすごいショックを受けていた。
ね、どうやって子どもを親は守ったらいいんでしょう?
過保護、過干渉はよくないし、かといってすべてを任せるには心ともないし。日々の会話をしてじっくり子どもを観察するしかないのかしらん。
何かしらの問題を提示してくれる子どものほうが、もしかしたらいいのかな。絵に書いたような優等生だと、親も安心しきっちゃうのかも。
と、想像でしか書けないんですが、自分が子どもだったときは「こうだった」という常識が本当に使えない子育ての次元に来ていると感じています。
こういう動きがあるみたいなので、どうなるのか動向を見守るしかないですね、はい。
2006年生まれのアメリカ人とのハーフの男の子のいるシングルマザーです。日々限界突破でNY生活中。息子の反抗期が終わって新しいことを息子と考えています。