見出し画像

カリフォルニアで学んだことー14歳で反抗期が終わった息子とオカンの物語(26)

誰もが予想をしていなかったパンデミック。
ニューヨークという世界的エンターテインメントが集まっている街は、本当にね、お金がないとつまらないし、レストランもミュージアムもブロードウェイも閉まってしまったら、あーた、何もすることがない街なんですわ。

こんなガラガラのタイムズスクエアには2度とお目にかかれないんでしょうな

ということで、2018年の春先にカリフォルニアの山奥に引っ越してしまった幼なじみ家族から「遊びにおいでよ! 子ども達も会いたがっているから!」と誘われて、がっつり2ヵ月お世話になってきました。

じつはそこに遊びに行くのは2回目。
1度目は2018年の冬。寒かった!
でも自然に囲まれていて、コンクリートジャングルのニューヨークと違って本当によかった。なので夏は夏でどんだけ楽しいんだろうと楽しみにしていたのです。

今では実家は東京だけど、東京に住むまでは地方都市を転々としていた転勤族なので、山が見えない景色がちょー辛い。

ということで、海からは遠いけれど、山も川も湖もある友達の住んでいる場所は、あたしにとっては天国! 
その上ニューヨークでは飼うことが躊躇しちゃう犬や猫やらいて、本当に癒された。

と、同時に強烈毒出し期間でもありました。

毒出し期間? と言われてもピンと来ないかと思いますが、簡単に言うと息子の反抗期が終えてることができた時間でもあり、あたしが「みたくない自分」「避けてきた自分」とじっくり対面しなきゃいけなかった時間にもなったという。

だけどこの時間がなかったら、17歳(2023年8月の時点)の息子は果たして反抗期が終わっていたのか?
自信はないですねえ……
きっと今頃も「そんなんで行きたい大学に行けると思っているの?!」と毎日ガミガミ言っているような自分が目に見えます😅

それではどうして息子が変わったのか、を書いていきましょう。

マスクをしていないといけなかった時期ですね、懐かしい……

アルコールを飲んでいる母親がいやだった

わかっちゃいるけど、辞められない♪

じゃないんですが、お酒、飲むの大好きで。
ほんのり酔う感じで飲むならいいものの「浴びるように飲んでしまう」傾向がありまして。

その上、お酒を飲んで酔っ払うと気が大きくなるのか、ますます「直球」でその時に感じていたことを息子に言ってしまう。
んで翌日になると「何を言ったのか覚えていない」ことも多くて。

個人的には明るく楽しくお酒を飲んでいるからいいじゃん!

と思っていたけれど、酔っ払っているオカンをみるのが心の底からいやだったみたいです。

というのも、カリフォルニアってさー、ワインがすっごい安くて(美味しい)。あーた良質のワイン1本5ドルとか、そりゃ買っちゃうでしょ? 買うよね?

で、いつものように飲んでいたら「酔っ払いがいかに大変なのか」を友達にとくとくと説明されて(つまり上記のようなこと)

「あきっちゃん、ストレス溜まるのはわかる、ニューヨークでストレス溜めない生活をするのは不可能に近い。シングルマザーで頑張っているのもわかる。
でもね、息子がどれだけ傷ついているのかいい加減わかりなよ

みたいなことを言われた上に、酔っ払いの対応がいかに大変かも言われ……確かに酔っ払いの対応って面倒臭いよね。
ということで、お酒を辞めることを決心!

だけど買ってしまったお酒を飲んでから〜なんて思っていたら、息子がウキウキして開けてないワインもシンクに流してしまったのだった。

やーめーてー! もったいない、まだ飲めるのに!!!

と言ったら

「ダメ、ダメ、ダメ!
お母さん飲まないって決心したでしょ、○○さん(ママ友の名前)にそう言ったでしょ? 僕は聞いていたよ、辞めないの? 噓つくの?」

と言われて心で涙流しながらワインが排水口に吸い込まれていくのをじっとみていたのでした。

後日談として息子からあたしがお酒を飲んでいた時の何がイヤだったのか、をとくとくと説明されてぞっとしたのを覚えています。

いや、そこに至るまで何度か辞めようと思った出来事はあったのですが(割愛します)、やっぱりストレスに負けて飲まなきゃやってられなかったのも事実でした。

お子さまの反抗が気になる方は、ご自身がどういう風にお酒とお付き合いをされているのか考えてみるのも一つの手かもしれませんよ。

言葉使いに気をつけて

自分が人に対してどういう言葉使い、どういった話し方をしているのか気にしたことってありますか?

特に自分のお子さまについてどう話しをしていているのか考えたことありますか?

ありますよね?
「あちゃー、またキツい言い方しちゃった。あんな風にいうつもりなかったのに。怒りたくなかったのに怒っちゃったよ」と、夜一人反省会を何度開いたことでしょう(ビールと一緒に😂)。

でもがんばっても治らなかったのは、

実際に自分がどういう風に息子に対して話しをしているのかを知らなかったから

なんですよね。

どういうことかと言いますと、実際に喋っているのを録音されるとか、鏡映しのように見せられないと「わからない」んですよ。
そうやって第三者的な目で自分を見たことがなかったから、そりゃ治りませんよね、主観でしかないわけだから。

で、わたしの場合はコレをカリフォルニアの友達の家でやられたとでもいいましょうか。

ママ友と時間があれば子育ての話し日本にいる家族の話など、まあ、とにかくいろんな話しをしたんだけれど、何気なくわたしが言った息子への言い方を聞いてはママ友が

「あきっちゃ〜ん、今の言い方だとさ〜」

と、教えてくれるんです。

正直、グサグサ傷つきました。
なんでそんなこと言われなアカンの?
とも思ったよ。

だけど、カリフォルニアに来るまでもたくさん彼女に相談をしていたし、実際問題、パンデミックにもなって息子と二人っきりの生活を余儀なくされるので、自分の神経が保たないことはわかっているから、とにかくどうにかしなきゃいけない、背に腹はかえられない、背水の陣のような気持ちでもあったんですよね。

さらに衝撃の事実として言われたのが

「ニューヨークに住んでいる時から言いたかったんだよ!」

と言われたこと!
げっ! そんな昔から?!?!

でもあたしに言わなかったのは「今言っても聞く耳もたないと思ったから」だって。だけど今回(つまり2020年の夏)は覚悟を決めたと聞いた(あたしが言った)から、彼女も覚悟を決めて伝えることにしたそうだ。

これまたショックでしたよね。
10年以上も前から「話し方がやばい」って思われていたなんて。
でもそんなあたしと息子とずっと仲良くしてくれていて。
感謝しか本当にない。

勇気をもってママ友などに「どういう感じで子どもに対して言っているのか」を教えてもらうのも一つの手かもしれません。が、個人的に「ねえ、こういう風に言っているよ」とは指摘しにくいですよね〜。

1度録音してみるのもいいのかもしれないけれど、そこを意識してよそ行きになってしまうかも。

カメハメハごっこを某森でやっていた。

もっと息子を褒めようよ

カリフォルニアに行く前から「あきっちゃん、もっと息子を褒めようよ」と言われ続けていたあたし。

でもさー、褒めるって難しくない?
どこをどう褒めるのよ?
毎日遅刻ばかりする、ゲームしかしない息子に対してどう褒めるの???

そもそも褒められて育ってきていないから「どう褒めるか」がわからない。

だったんだけど、友達がまあ上手に息子を含めて子どもを褒めるんですよ。
そこで褒め方が学べたのも大きかったと思っていますね、今は。
そしてなぜあたしが息子を褒めることができなかった根本的なこともはっ! と気づいたのでした。

やっぱりさ、けなされるよりも褒められる方があたし達大人だって嬉しいじゃん。子どもなんてもっとそうだよね〜。
本当、褒められてナンボな世界です。

もちろん世の中には「叱咤激励」という言葉もありますが、個人的にはもういいかな、と。
小さな声でもいいから褒められ続けたいわ😂

自分だったらどういう風に言ってもらいたいのか、を考えみるのも一つの手かも。

息子が反抗期が終わったのは、もちろん本気でぶつかってくれた友達家族がいたから。
これは間違いありません。

それと同時に

「このままじゃいやだ、変わりたい、変わるんだ! どんなに辛くても」

というあたしの決心、覚悟が一番重要だったように思います。

友達も言っていたように、10年も前から言いたかったのに、言ったところで伝わらない状態だったから言わなかった。確かに当時言われても「うるさいな、失礼だよ!」と怒って、どーんと落ち込んだだろうと想像が尽きますね。そのイライラをさらに息子にぶつけて悪循環になりそうです😅

❖ ❖ ❖

カリフォルニアから帰ってきたら、パンデミック中ということもあり、二人で常に行動するようになったけれど、前のように「ちっ、なんでいつも二人で行動しなきゃいけないんだ」とか「自分が食べるものも買うのに一緒に買い物に行きたくないってどーいうことだよ(怒)」と、まあネチネチグチグチ言っていたのがなくなりましたね。

買い物に行くのにも自転車に乗って出かけたり、重たいものを率先して運んでくれるようになったし、前のような大きな喧嘩はなくなりました。

もちろん喧嘩はするけれど、前のようにお互いの言いたいことだけを言い合うのではなく、話し合いという感じですかね。
「お母さんが文句言いたいのはわかるよ、でも先ずは僕の意見を聞いて」と言ってきます。

周りの友達からも「顔が穏やかになった」と言われてるくらい、変わったみたいですわ。

そしてお酒に関しては……2021年の夏くらいまでほとんど飲まなかったのですが(祝日に飲む程度)、だんだんと増えてきて……でも買う前に「今日はビールを飲みたいのですが、買って来ても良いでしょうか?」と息子にお伺いしているオカンです。

とても頼もしい息子です。
そしていろんなことを話し合える間柄になっていて、本当に良かったと思っています。

わたしのほくろを押すのが気に入っている息子

子育てって2歳児の時のイヤイヤ期などを始めとして、時間が解決することが多いですよね。
だからつい「わたしさえ我慢すれば」と思いがちだけど、個人的には我慢しなくていいのなら、我慢しなくてもいいと思う。

いやいや、我慢なんてしたらメンタル崩壊しますよ!

それにね、我慢して育てて、でもその我慢した「後」お子さまとの関係が「どうなっているのか」が大切なんですよ。

あたしなんて母親とこじれているので、そりゃもう大変です。
もっといろんなことを話し合いたいなーと思っていたし、子どもができたから母の子育ての話しも聞けて面白かったけれど、そこでまたぶつかって辟易している部分もあるのも本音です。

未だに反抗期なのかもしれない😂
だから親といたくなくて日本を飛び出したんだと思っています。

いくつになっても燻っている場合もあるからなかなか素直になれない。
それならお互い言いたいことを言い合って、もちろん尊敬しあってフラットで信頼しあっている親子の関係を築き上げられたらステキだなーと思っていますが、母とはもう難しいだろうな、と諦めておりまする。

息子との関係は信頼し合っていると思っています。

なので子育て自分だけ我慢しないで辛かったら「辛い! 助けて!!!!」ってSOSを出してもいいと思っています。つか、出そうよ。

❖ ❖ ❖

ということで、途中途中止まりながらも長きに渡って書いてきた「反抗期物語」も今回でお終いです。
この中に入りきらなかった番外編的なお話がまだいくつかあったような気がするのですが、気が向いたら更新していきますが、まずはこれにて終了します。

わたしの体験が誰かの役に立てればいいなと思っています。

そして「辛い、助けて」と誰にも言えないのであれば、わたしが聞きますからいつでも👇のフォームをご利用ください。
どんな些細なことでも大丈夫なので、お気軽にご連絡ください。



2006年生まれのアメリカ人とのハーフの男の子のいるシングルマザーです。日々限界突破でNY生活中。息子の反抗期が終わって新しいことを息子と考えています。