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デジタルカメラが拾いきれないもの。

ひと月ほど前に、自宅のパソコンを刷新しまして、色々とデータのバックアップやら移し替えやらといった作業するをしていた時に、ちょっと面白い画像を見つけました。

2004年頃に、6x6の中判フィルムカメラのマミヤC220というレンズ交換式の二眼レフカメラで撮影したポジフィルムを、コンパクトデジカメで複写しようとした画像です。

ライトボックスにフィルムを置いて、それを手持ちでただ写しただけという、なんとも雑な写真なんですが、そこに写っていたものに、今のデジタル写真には無いものを感じた気がしましたので、この note に貼ってみたいと思います。

これは、ポジフィルムのスリーブをそのままライトボックスに乗せて撮っただけのものです(笑) 夕焼けの日差しがキャラメルみたいな色で、それを撮りたかったのでしょう。

実家の玄関先に、家庭菜園をやっている母が置いていた作物。中々立派な白菜ですね。なんとなく、野菜たちが可愛く見えます。

フィルムマウントに、春先の庭とあります。何の花かは分からないのですがきれいです。

これも同じく庭先のバラでしょうけど、小さいバラが浮き上がるように写っていてきれいです。

育ちすぎてしまったブロッコリーですね(笑)かなり接写できているのは、マミヤCシリーズの二眼レフの特徴で、ユニークなカメラだったのですが、レンズの写りも良いです。

2004年の桜の季節の上野公園ですね。雨の日に、あの重いマミヤの二眼レフを持ち出して散歩カメラをしている所に若さを感じますが、曇り空の中に先初めの桜と、歩く人の傘の色合いがきれいです。

桜の花の咲いている枝先に鳩が止まってます。なんだか立体感がある描写です。

桜の花の景色を携帯電話のカメラに収めている女性。傘を差しながら、黒い服の立ち姿が印象的です。この写真も被写体が浮き上がって見えます。

うまく説明する言葉が見つからないのですが、ポジフィルムに光を透過させて見える絵には、昔の映画館みたいな趣があります。今の若い方には経験がないかもしれませんが、昔は学校などでも、部屋を暗くして、記録した写真をスライドプロジェクターで写して見たりする事がありました。

ポジフィルムには、もう無いはずの景色が、フィルムのセルロイド(厳密には違う素材です)に光を通してそこに蘇る様な面白さがあって、こういうアナログ的な楽しさは、今これだけ高画素化したデジタルカメラのセンサーでも再現は出来ないのではないでしょうか。

何も、デジタル写真アンチ!というわけじゃなくて、多分に懐かしさのせいだとは思うのですが、この数枚の写真からは少しそんな感じが見えた気がしました。

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